企業インタビュー
「育つ子も育たない」人生をバレエに捧げたプロバレリーナが設立した“正しい専門知識”を教えるスクールとは?
上達が加速する“土台作り”とは?
新R25編集部
SNSなどを通じて誰でも自分のことを発信できる時代。
SNSを通じてファンをつくり、さらにオンラインサロンやECショップの開設など、自分の好きなことや得意なことをお金に変えるハードルが下がりつつあります。
そんな個人の“マネタイズ”や“ファンづくり”をサポートする「MOSH」と新R25のコラボでお届けしている「The Next Creators」。
ビジネスパーソンにおすすめしたいMOSHを活用している次の時代を創る注目クリエイターたちを紹介していく本連載。
今回は、幼少期からバレエを習い、海外でプロバレエダンサーとして活躍される石井久美子さんにインタビュー!
東京生まれ。2013年「ワガノワ・バレエ・アカデミー」卒業後、アジア人女性として初となるマリインスキー・バレエ団に入団。入団直後の11月に「ドン・キホーテ」の第3幕、友人のヴァリエーションでデビュー。これまでラ・シルフィード、ジゼル、くるみ割り人形、愛の伝説などで数々のソリスト役を演じる。2020年にコロナウイルスに感染後、療養のため日本に帰国し、石井久美子バレエプロジェクトを設立
世界最高峰のバレエ教育を受けた石井さんですが、それによって“日本のバレエ教育の欠点”が見えてきたそうで…
「日本の教育現場では、バレエの正しい専門知識が得られにくい」
ーー(編集部)まずはじめに、現在の石井さんのご活動内容について教えてください!
石井さん
8歳でバレエをはじめてから、2011年にロシア国立の「ワガノワ・バレエ・アカデミー」に入学し、2013年に卒業したのち、ロシアの「マリインスキー・バレエ」に日本人初のバレエダンサーとして入団しました。
私が所属していたアカデミーもカンパニーも、どちらも世界最高峰のものとされています。
そこで私が培ってきたもの、今までのバレエ人生で大切にしてきたものをみなさまに広くお伝えしているのが現在のおもな活動です。
ーー(編集部)ありがとうございます。石井さんは現在SNSでバレエの知識や情報を盛んに発信されていらっしゃいますが、その理由や想いについてお聞かせください。
石井さん
これまで、もっともバレエが盛んな国の一つであるロシアで、バレエダンサーとして長年経験を積んできました。
そのなかで「自分が取り組んできたものや重要とされているものが、日本の教育現場ではあまりなされていないな」と気づいたんです。
バレエをやるうえで、教えてもらうべきことを教えてもらえていないから、できないというのは当たり前の話でして…
「今の日本の教育のままでは、育つ子も育たないのでは」と危機感を覚えたことをきっかけに、自分が今まで得たこと、学んだことを日本のみなさまに伝えたい!と思い、発信するようになりました。
ーー(編集部)日本とロシアの両方で学んだ石井さんだからこそ気づけた、教育の大きな違いは一体どのようなところなのでしょうか?
石井さん
もっとも大きな違いとしては、バレエをはじめるための条件が整っていないままに、バレエをはじめてしまうということです。
たとえば「ワガノワ・バレエ・アカデミー」のような、公的かつ、大規模なバレエの教育機関が日本にはありません。
そのため、日本でバレエを学びたいと思っても、正しい専門知識をなかなか得られにくい環境にあるというのは大前提としてありますね。
ーー(編集部)“正しい専門知識”というと…?
石井さん
よいバレエダンサーを目指すためには、柔軟性や可動域の広さ、筋力など、バレエをはじめる前段階でクリアしておかなければならない「土台」を作ることが非常に重要なんです。
ロシアでは、日々の積み重ねできちんと土台を作り、バレエに適したコンディションへと持っていけた人がスタートラインに立てます。でも、日本ではまったく違います。
土台ができていないままバレエをはじめてしまい、うまく身体が使えないのでもちろんバレエも上達せず、先生にレッスン数を指摘される…なんてことも。
でも、レッスン数を増やしたところで土台は作られていかないので、根本的な解決にはなり得ません。逆に、無理にレッスンを重ねたせいで股関節を痛めてしまったり、脚が太くなってしまった方も多いです。
「クラスでも身体の硬いほうでした」土台作りで体得した独自の指導方法
石井さん
だからこそ指導においては、「まずは土台作りが大事」ということを、本当に何度も何度もしつこいくらいにお伝えをしています(笑)。
「できない人が、どのようにすればできるようになるのか」を考えるのが得意だったので、その強みを活かして、生徒さんにはより噛み砕いたわかりやすい指導を心がけています。
私も最初からバレエの土台を作れていたというわけではなくて…むしろ小学校低学年のころは前屈で前に倒れられず、開脚も90度開かなかったので、クラスでもとりわけ身体の硬いほうでした。
ーー(編集部)すごく意外ですね…!
石井さん
そのような「まったくできない」状態から、ロシアのバレエカンパニーでダンサーとして活動できるようになるまで、「できない人が何をどれだけやれば、どのレベルを目指せるのか」をとにかく追求してきたんです。
私もできるようになるまで、効率よく上達するための方法をいろいろと試行錯誤してきたので、世界で活躍するための技術を身体でも頭でも理解していると思います。
たとえば、バレエで綺麗とされているポジションにまで脚を上げるには、背骨と骨盤の関係性が大事だったり…など。
「この部分がこの状態にならないと、綺麗な脚の上げ方はできない」という本質の部分を頭で理解しているだけではなく、自分の身体でも体得できているので、みなさんにもわかりやすくお伝えができるんじゃないかと思います。
やはり自分が体感として落とし込んでいないと、それ以上のことを人へ教えるのはなかなかできないなと。
脚を上げるにしても、つま先を伸ばすにしても、表現一つとっても、世界で活躍できるスキルをこれまで全力で磨き込んできたからこそ、そこに到達するまでの必要要素をロジックとしてちゃんと組み立てられるようになったのかな、と思います。
ーー(編集部)ものすごく突き詰めて構造化されて、ロジックでご指導されているということなんですね。
石井さん
小さいころから「先生が言ってることって、結局何をしたらできるようになるの?」と、ずっと考えつづけてきたんです。
私がお話ししている「ロジック」をしっかり教えてくれる先生があまりいなかったので「なんで?」「どうしたらできるようになるの?」とずっと自問自答し続けて、どうにか自分で解消してきた結果、今の私があるのかなと。
自分の「なぜ?」「わからない」「どうすればいいの?」を一緒に解決していこうというスタンスで向き合ってくれた先生もいらっしゃったので、そこで「考えることのやり方」を教わったのかなと思います。
「先生もわからないことを乗り越えて消化していくんだから、自分ももっとわからないことには徹底的に向き合っていかなきゃ」と、そのとき感じました。
ーー(編集部)わからないことはそのままにせず、わかるようになるまで試行錯誤されてきたのですね。
石井さん
そうですね、性格的なところもあるかもしれません。昔からわからないことや理解できないことが一つあると、ほかのことが考えられなくなってしまうんです。
気になって気になってしょうがなくて、ほかのことが手つかなくなっちゃうというか、わからないことばかりに意識が向いてしまって…自分の思考はすべてバレエに使ってきましたね。
本当に文字通り、バレエのことだけを考えているので、家族には「バレエ以外は何も尊敬できない」と言われてしまうぐらいです(笑)。
でもそれだけの時間と労力のすべてをバレエに捧げてきたので、バレエの本質やバレエを上手になるための必要要素を、ちゃんとつかみにいくことが得意になれたのかなと思います。
上達のスピードがまったく変わる「オンラインバレエ学校」
ーー(編集部)石井さんが現在主宰されている「オンラインバレエ学校」では、どのようなことを教えていらっしゃるのでしょうか?
石井さん
先ほどお話ししたような、私がこれまでのバレエ人生の中で突き詰めて構造化したノウハウや知識を「動画教材」と「オンラインレッスン」の2つでお伝えしています。
基礎ができていないとテクニックや踊りの表現が追いつかないので、バレエの上達には、まずは基礎や土台が何よりも大事というのが私の考え方です。
オンラインバレエ学校では、そのようなバレエに必要な土台を作るための方法をメインに指導をしています。
今までのレッスンのなかで消化できなかったことが理解できるようになったり、レッスンに取り組むなかで新たな気づきを得られるようになったりと、基礎的な知識を知っているのといないのでは上達のスピードがまったく変わってきます。
バレエの先生よりも、知識を得ることができるほどの多くの情報が詰まっているので、ぜひバレエの土台作りに役立てていただければと思います!
ーー(編集部)SNSで発信されている情報とはまた全然異なるものなのでしょうか?
石井さん
そうですね。SNSでの情報発信はあくまでヒントを与えるぐらいに留める形でお伝えをしているんです。
対面レッスンで答えの部分や本質についてお話をしていたので、SNSですべての情報を明かしてしまうと、きちんとレッスンを受けていただいている方との整合性がどうしても取れなくなってしまうんです。
それでも、バレエの基礎知識や根本の部分を広く知ってもらいたいという気持ちは強くあるので、お伝えできることのギリギリを攻めながら、ヒントを発信していました。
今回「オンラインバレエ学校」という形で、オンラインで多くの方に知識を広くお伝えできる場を作ったので、私が普段のレッスンの場で指導しているようなノウハウを惜しみなく発信していく予定です!
ーー(編集部)ここはほかのバレエレッスンとは異なるのでは、と感じられているポイントはありますか?
石井さん
いかに実践的かつ、効率的に上達できるかという観点でカリキュラムを作っているので、スケジュール設計やカリキュラム構成はかなりこだわっているポイントだと思います。
たとえば「脚を高く上げる」というテーマに8月から取り組んでいくのですが、脚を上げるための土台作りとして「脚上げに効果的なストレッチ動画」をまずは出します。
そして、その半年後に「脚を高く上げるために必要なトレーニング」をご紹介するという流れをとっていて、次のステップへ進むのに必ず一定期間を置くようなカリキュラム構成にしているんです。
8月にストレッチをお伝えして、9月にトレーニングに入って…としてしまうと、1カ月で急に柔軟性が上がるのは現実的ではなく、かなりスパンが短いので自分のものにはできていないはずと考えています。
「1つのことができるようになってから次のステップへ」というのが私のもっとも大切にしている考えなので、それを必然的に実践できるような構成を組んでいます。
たくさんの知識を得ると一定の安心感を抱いてしまい、実践しないというのはよくあることです。
1つの基礎ができるようになるまで、わざと次のステップは明かさないようにしています。
紹介したストレッチに取り組んでいただければ、半年後のトレーニングで「脚が上がるようになった!」と必ず効果を実感してもらえるはずなので、成功体験を積んでもらいやすいのではと思います。
ーー(編集部)オンラインバレエ学校はどのような方におすすめでしょうか?
石井さん
「バレエをやっている方、全員に受けてもらいたい!」という気持ちでレッスンをご提供しています。
趣味でやっている方、生徒としてバレエの練習に励んでいる方、プロのバレエダンサーを目指している方、そしてバレエの先生など、どんなフェーズの方にも参考になるはずです。
生徒さんが正しいバレエの情報を受け取れていないということは、やはり教育する側が知識を持っていない、理解できていないということになります。
「今までのバレエをブラッシュアップする」という意味合いでも、このオンラインバレエ学校はお役立ていただけると思います。
ーー(編集部)ありがとうございます!最後に、石井さんの今後の展望や目標についてお聞かせください。
石井さん
一番の夢は、世界最高峰の舞台で活躍できる日本人を育てるということでしょうか。
そのためにも、「ワガノワ・バレエ・アカデミー」のような世界レベルの教育機関を日本にも作りたい!というのも目標の一つです。
それに向けて、今回新たにはじめた「オンラインバレエ学校」や、MOSHでのオンラインレッスンを通して、正しい知識に基づいたバレエ教育をおこなっていければと思います!
石井さん
MOSHで開催しているオンラインレッスンでは、「アンデオールができるようになる方法」や「足先を強くする方法」「上半身をきれいに使うためには」など、テーマを絞り込んで効率よく上達するための方法をお伝えしています。
8月26日にもオンラインレッスンを開催予定なので、ぜひチェックしていただけるとうれしいです!
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