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手塚作品への思いがあふれた「火の鳥」は失敗作から誕生?長瀬正太の“オタク魂”が炸裂する独自の写真作品

手塚作品への思いがあふれた「火の鳥」は失敗作から誕生?長瀬正太の“オタク魂”が炸裂する独自の写真作品

夜空がキャンバス、花火が絵の具、カメラが筆

新R25編集部

Sponsored by 火の鳥写真家 長瀬 正太

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手塚治虫の不朽の名作『火の鳥』。

それをカメラで表現しているのが、写真家の長瀬正太さんです。

失敗作から誕生した、独自撮影スタイル“カメラドローイング法” でとらえた「火の鳥写真」は、いまや美術館での企画展や展覧会を開催するほどの人気シリーズになっているのだとか。

「火の鳥写真」誕生のきっかけや、手塚漫画との縁、魅力を長瀬さんにお聞きしました。

〈聞き手=青山実央(新R25編集部)〉

ブレた失敗写真から生まれた“火の鳥” 誕生秘話

長瀬さん

「火の鳥写真」が誕生したのは、2015年です。

第60回前橋花火大会時に偶然撮れた、流し撮り*の失敗で花火がブレた写真がきっかけになりました。

*シャッタースピード等を調整し、被写体の動きとシンクロするように、カメラを振りながら撮影する方法

この写真がきっかけとなった“ブレた”写真

長瀬さん

この写真を見たとき、私の脳裏に小学校の図書館で夢中になって読んだ手塚治虫の『火の鳥』が浮かんできたんです。

「もしかしたら火の鳥が撮れるかもしれない!」と。

青山

言われてみれば…鳥っぽい…?

長瀬さん

これにヒントを得て、考えつくあらゆる動きをして、動かせるものはすべて動かして試行錯誤を重ねました。

そして、2017年の大会で初めて「手塚先生の描く宇宙に飛んでる火の鳥」を彷彿とさせる写真が撮れたんです。

そのとき “カメラドローイング法” という、カメラを振り回して撮影する方法が確立しました。

はじめて「火の鳥」が撮れたと感じた1枚

青山

CGみたい…!

長瀬さん

小さいころから“漫画オタク”だった私が、「学校の図書館にある漫画なら堂々と読める!」と手に取ったのが、『火の鳥』でした。

当時の私にはかなり難解なストーリー。奇想天外な内容と過激な演出。

ページをめくるたびに新しい世界が開けるようで、そのすべてが面白かった、あのときの感動が、この写真を見てよみがえってきたんです。

小学生のときに作成した『火の鳥』のパズル

青山

そんなつながりがあったんですね。

長瀬さん

“好きなものは好きなんだからしょうがないじゃないか” というオタク魂で、銀座で開いた個展タイトルに「漫画×写真=火の鳥」と付けるほど、『火の鳥』は私の人生の核を形成してくれた存在なんです。

AIでもCGでもない「何が撮れるかわからない」一発撮りの魅力

長瀬さん

「火の鳥」を撮影するときのカメラドローイング法は、“夜空をキャンバス、花火の爆発を絵の具、カメラを筆として描いている”イメージといえば、伝わりやすいかもしれません。

青山

カメラで描く…

長瀬さん

最近はAIやCG技術が発達し、一般の方もスマホひとつでアーティスティックな写真が撮影できるようになりましたが…これは正真正銘、一発撮りの写真。

世界的に見てもほかに誰もやっていない表現なので、それがこの写真の特長であり、胸を張って言いたい私の強みです。

この火の鳥を撮るために、いつも花火大会の隅っこで狂ったようにカメラを振って回しているのは、私です(笑)。

青山

すごく目立ちそう…

長瀬さん

なにせ私独自の撮影法なので…異様だと思います。

でもほかの方は花火を見上げているので、意外と気づかれません(笑)。

無造作にカメラを振り回しているので、私もどんな作品ができるのかわからないんですよ。

失敗してしまった写真

長瀬さん

たまに「悪条件になれ」って思っているときもあります。

青山

え? なぜでしょうか?

長瀬さん

花火を撮影するときに、良くない条件があるなかで撮った方が、想像を超えるものに出会えることが多いんですよ。

悪条件のなかで生まれた作品

青山

煙が赤くなっているのが、とても幻想的ですね。

長瀬さん

こんなに熱中できるのは、心のなかに「見たことのないものを見たい」という気持ちがあるからだと思います。

撮影を始めて8年、100万発以上の花火を撮っているんですけど、そのほとんどはグチャグチャとした失敗写真。

それでも「あーでもない、こーでもない」と続けていると、誰も見たことのない世界が撮れる瞬間があります。

それがまた、面白いんです。

私が撮ったものは「火の鳥」だと確信した

長瀬さん

火の鳥写真を撮り始めた当初は、「見たことないものが撮れる!」と自己満足して完結していたんです。SNSに投稿しても、ほとんど「いいね!」がつくこともなくて。

でも、ただの自己満足だった火の鳥写真が「実は割とすごいことをしているのかもしれない」と私に思わせてくれる出来事がありました。

青山

それは…?

長瀬さん

現代アート作品として評価してくださる方が現れたことです。

2018年に群馬のギャラリーに初めて展示したときです。「誰もやっていないことをやっているのがおもしろい」と。それから少しずつ作品として形にしていったんです。

そして2020年、個展に来場した、手塚治虫先生を最も長く支えたマネージャーでもある、手塚プロダクションの松谷孝征社長が「火の鳥を感じる」と言ってくださって…

青山

手塚漫画を、実際に近くで支えていた方にそんなことを言っていただけたんですね。

長瀬さん

「あぁ、私が見つけたものは本当に火の鳥だったんだ」と体中が震えました。

その後、手塚プロダクションさまから改めて電話があり「これからも火の鳥を撮りつづけてください」とエールまでいただいたんです。

松谷社長に「火の鳥」を感じると言っていただけた1枚

長瀬さん

花火師さんからも「新しい花火のイマジネーションが沸いてくる。火の鳥のための花火なんてのも面白いかも」と言っていただけて。

「火の鳥#5」のご購入者さまからも「“火の鳥写真家”って世界で一人なんでしょ? すごい。購入したときにいただいた名刺も大切に取っておきます」と褒めていただきました。

作品「深(Shin)」(売却済み)

長瀬さん

最初は誰も見向きもしなかった、私だけの「火の鳥」が、こうやって徐々にいろいろな方に見ていただけるようになりました。

ひたすらに「もっと新しいものを!」と撮影を続けている私の情熱が、たくさんの方に届くのはとてもうれしいですね。

鉄板焼「龍見 泰正」展示写真

 「前橋の美術2024」展示写真

長瀬さん

多くの方々のうれしい言葉を胸に、引き続き地元群馬のギャラリーでの作品展示を続けていく予定です。

そして、都内進出、世界進出を目指して発表を続けていきたいと思っています。

オタク魂「好きでしょうがない」衝動を大事に

長瀬さん

私はこれからも、誰になんと言われようとも「ただ好きで好きでしょうがない」っていう衝動を大切にしていきたいです。

私は、ずっとオタクであることを恥ずかしいと思っていました。ですが、失敗だと思った写真に「火の鳥」を見出したのも、私のなかにある「漫画が好きでしょうがない」オタク魂のおかげだと思っています。

もし、みなさんのなかで自分のオタク魂に照れくささを感じても、その種を愛でることをやめないでほしいです。きっと、それがあなたの人生に花を咲かせてくれる大切な種なのですから。

いまにも動き出しそうな「火の鳥写真」。作家の思いは作品の細部に宿る。

長瀬さんの作品には「おもしろい」と「好き」があふれています。

長瀬さんの作品をもっと見たい方は、HPからご覧ください。

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