企業インタビュー
オーダースーツが7日で届く!? 米アパレル業界に衝撃が走った「フルオーダーシステム」が日本初登場
アパレル業界関係者や副業・起業したい人必見!
新R25編集部
大事なイベントが控えているから「オーダースーツ」をお願いしたら、完成までに1カ月かかると言われた…。みなさんは、こんな経験お持ちじゃないでしょうか?
“オーダースーツ=時間がかかるもの”というイメージがあるなか、「7日で完成する仕組み」を生みだしたのが、A-StarOne International株式会社の代表取締役・坂本大地さんです。
本場・ヨーロッパでスーツづくりを学び、オーダースーツブランド「Noah(ノア)」を著名人御用達の人気ブランドに育てたあと、世にも珍しい“オーダースーツのフランチャイズ(以下、FC)展開”をスタート。
「カスタマイズOK」「1着から発注できて在庫リスクなし」「無店舗でも経営OK」「2万円〜始められる“サブスクプラン”」など業界未経験でも参画しやすい仕組みを導入し、その加盟店は全国200店舗にものぼっています。
それにしても「オーダースーツを7日でお届け」って…どうやっているの? 坂本さんにその裏側を教えてもらいました。
〈聞き手=山田三奈(企業トピ編集部)〉
「オーダースーツ」が届くまでに1カ月かかる理由
坂本さん
「オーダースーツ」を頼んだときって、手元に届くまでに少なくとも1カ月ほどかかりますよね。
でもじつはこれ、業界自体がかなりアナログだから起こっていることなんですよ。
山田
アナログというと…?
坂本さん
手書きの書類やFAXでやり取りをしていたり、製造ラインでは目視で検品をしていたりと、本来削減できるはずの無駄な工数がとにかく多い。
しかも工場の設備は古くてキャパシティも大きくないので、通常の工場で1日に製造できるスーツの数は100着程度と少なくなっています。
納期に通常2カ月、早い会社でも1カ月はかかってしまうのはそれが原因なんです。
山田
なるほど…無駄も多いし設備に問題もあるしで生産が追いついていないんですね。
業界初!7日で仕上がる「スマテックオーダー」
坂本さん
オーダースーツを“1週間”で届けたい。
私たちはそんな思いから、海外上場企業と業務提携して、”Noahスマートテクノロジーオーダー"こと「スマテックオーダー」を開発しました。
山田
スマテックオーダー?
坂本さん
一言でいうと、オーダースーツを7日間で仕上げられるシステムです。
AIやIT、ビッグデータを活用し、アナログな「フロー」と「製造ライン」を改善して生産性を向上。
1日あたりの生産量が10倍以上になるので、最短7日でオーダースーツをお届けできるんです。
山田
生産量が10倍…!具体的には、製造工程のどんなところにテック技術を活用しているんですか?
坂本さん
まず、お客さまの「採寸」。
基本的にはサロンにて対面でおこないますが、急ぎの場合は非対面でも対応できるよう、採寸を自動化できる「3Dスキャニング」の技法を開発しました。
現在プレリリースにて検証中です。
山田
採寸って自動化できるんですね…すごい。
坂本さん
また、「デザイン選定」も自動化しています。
好みの型や生地、カラーを選ぶだけでカスタマイズが可能に。フルオーダーだから形やサイズも自由自在。
業界未経験で専門知識のないFCオーナーさまでも、子ども用のスーツからタキシードまで、好みのデザインのオーダースーツを何でも自由自在につくることができます。
坂本さん
製造ラインでは「最先端マシン」をつかってスーツを仕立てあげ、「ICチップ」で生産管理をすることで納期を大幅に削減。
検品も「AI」によって自動化することで、スピーディに納品まで進められ、ケレスミスも防げます。
さらに今まで紙ベースでおこなっていた「発注」「納期確認」「顧客データ管理」などは、オンラインにてリアルタイムで一括管理。
オーダースーツ業者は、ただ納期を早められるだけでなく、簡単に発注作業ができて、納期や顧客データをいつどこにいても見れるようになります。
これは革命だ
坂本さん
マシンメイドによるフルオーダースーツは、納期の早さに加え、その正確性の高さから“最高品質クラスのクオリティ”を実現できるのが特長です。
アメリカのアパレル業界ではすでに類似のシステムが実用化されていて、「低価格で高品質なアイテムを豊富に生産できる」と大きな衝撃が走っています。
山田
そっか…価格も抑えられるんですね。
坂本さん
はい。従来の「フルオーダースーツ」の印象といえば大手百貨店やラグジュアリーブランドで作るというイメージが強い“高級品”でしたが…
「Noah」では、このシステムや独自の仕入れルートを導入したことで、10万円以上の価格で販売されているスーツ1着を39,800円〜オーダーできるようになりました。
こちらがスマテックオーダーで仕立てられた「Noah」のスーツ。気品あふれるオーラをまとえます
競合にも技術提供を惜しまず「業界・社会に還元したい」
坂本さん
納期を早めること、業界の煩雑な事務作業が削減されることは、私自身、長年目指してきたものでした。
スマテックオーダーでオペレーションを簡略化できるようになったことで、私たちは“初めての起業”に適した「FC事業モデル」も確立させられました。
開業の手間・在庫リスクなし! 月額2万円〜「本格的なオーダースーツブランド」を持てるFCに迫る
誰でも月2万円〜自分のブランドを持てる「FCの事業モデル」については、こちらの記事をお読みください
坂本さん
同じように、工程を簡略化して次の挑戦を始めたいオーダースーツ事業者に対して、スマテックオーダーのシステム導入支援をどんどんすすめていきたいと思っています。
山田
競合の企業にもスマテックオーダーの技術を提供しちゃうってことですか…?
坂本さん
もちろんです!私たちが目指しているのはアパレル業界全体の発展なので、そのための価値提供は惜しみません。
コロナ禍にも、打撃を受けた生産者やメーカーに対して支援をおこなってきました。
そうやって業界のみなさんと強みや特長を活かし、補いあって、業界全体を盛り上げ、社会に還元したいと考えているんです。
その一環として…カンボジア王国を訪問し、孤児院の子どもたちのために平和の象徴となる花火の打ち上げプロジェクトを支援しました。
@daichi.sakamoto_がシェア
子どもたちが喜んでいる…素敵な取り組みです
坂本さん
今回もスマテックオーダーをたずさえて、DXの遅れが目立つ業界の“新しい風”となり、業界を牽引していきたいと思っています。
日本から世界各地に向けたオーダースーツ市場の拡大に寄与していきたいです!
たった7日でオーダースーツが仕上がる理由は、革新的な技術・スマテックオーダーがあるから。
業界を牽引する坂本さんのもとで経営を学ぶべく、本業のかたわら起業に挑戦する学生や会社員も多いのだそう。
個人の起業家はもちろん、DXがなかなか進まずにお困りのアパレル企業の方も、ぜひ一度相談してみては?
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