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推しの作品は? 誰でも審査に参加できる障がい者アートコンテスト。応援したい“きもち”を“かたち”に

推しの作品は? 誰でも審査に参加できる障がい者アートコンテスト。応援したい“きもち”を“かたち”に

障がい者アーティストを応援できるシステム

新R25編集部

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アート好き、またはアートで癒されたいという皆さん、これから開催される「第3回キャンバスアートコンテスト」にぜひ注目を!

なんでもこのコンテスト、参加アーティストは障がい者の方々とのことです。

このコンテストが持つ意義について、一般社団法人キャンバス・代表の中澤俊太さんに聞いてみました。

〈聞き手=森久保(新R25編集部)〉

想像を超えた、多彩な表現の作品が集まる場

中澤さん

一般社団法人キャンバスは、アートを通じて障がい者の自立支援をおこなっています。

その一環としておこなっているのが「障がい者アートコンテスト」。これまでに2回のコンテストを開催し、今回、2024年5月〜6月に「第3回キャンバスアートコンテスト」を開催します。

独自の感性で次々と生まれる名作アートにぜひご注目いただきたいですね。

森久保

おお! かなり緻密に描かれていて、見入ってしまいます…

中澤さん

これは第2回開催時の最優秀賞です。

作品名は「生きろ」。natsukiさんというアーティストが描きました。

natsukiさんは自閉症を抱えていて、生きづらさを感じて苦しい日々を送るなか、絵を描くことで「悪いことばかりじゃない」と思えるようになったそうで…

「描いている途中、何度もやめそうになったけれど、応援してくれる人がいて最後まで描けた」と話されていました。

森久保

支えてくれている人の存在が力をくれたんですね。

中澤さん

そうなんです。まさにこのコンテストが目指しているのは、障がい者アーティストと彼らを応援をしたい人との架け橋となること。

アーティストの制作活動を応援するのが目的です。

これまでの開催で、作品の応募総数は1,100品以上。想像以上に多くの方に出展いただき、さまざまなメディアでも取り上げられました。

こちらは第2回開催時の優秀賞。全盲の画家 オバケのタムタムさん作の「ステゴサウルス」という作品だそう

手軽にアーティストを応援できる仕組みとは

中澤さん

ミッションは、“きもち”を“かたち”に。

障がい者の“きもち”をアートという“かたち”に。

障がい者アーティストを応援したい“きもち”を“かたち”に。

「キャンバスアートコンテスト」は、障がい者を金銭的にサポートする取り組みのひとつなので、寄付をしてくれる人が直接選考に携われる仕組みなんです。

森久保

審査員がいるわけじゃないんですか?

中澤さん

はい。たとえるなら某アイドル総選挙のように、投票によって“推し”を入選させることができるというもの。

最優秀賞は賞金20万円、優秀賞は10万円。

今回は『森トラスト賞』を新しく設け、東京・虎ノ門エリアにある「東京ワールドゲート2階 TOKYO WORLD GATE CoCo Lounge」にて、森トラスト賞を受賞した作品を8/1(木)~8/31(土)の期間中に展示予定です。

より多くの投票が集まった作品が入賞するスタイルを採用しています。

森久保

投票はどうやっておこなうんですか?

中澤さん

ECサイトを通じ、寄付をしていただく形です。

障がいのある方は、福祉施設等のプログラムの一環として絵を描く機会がよくあるのですが、せっかく描いた作品が誰の目にもとまらず、埋もれてしまうことが多いんです。

でも皆さん、ずば抜けた集中力でアウトプットし、魅力的な絵を数多く描いています。

中澤さん

私たちはこうした作品にスポットライトを当てていきたい

そしてできるだけ多くの人に作品を届けるべく、寄付しやすい環境を提供できればと思っています。

コンテスト開催の背景にある“課題”

中澤さん

厚生労働省によると、障がい者の総数は964.7万人(2023年時点)と言われていて、その数は年々増加しているそうです。

グループホームや就労支援などの福祉サービスはありますが…やはり障がい者の方にとってはまだまだ生きにくい世の中です。

森久保

たしかに、そのご家族も含めて苦労は多いと聞きます…

中澤さん

そしてもっとも深刻なのが貧困

障がいのある方はない方に比べて、貧困率が2倍以上という調査結果*もあります。

働ける環境を整備することはもちろん重要ですが、障がい者アーティストの育成もまた、ひとつの方法だと考えています。

だからこそ、すでに3回目となるコンテストで、より多くの応援者を集められればと。

*調査結果…山田篤裕・百瀬優・四方理人(2015)「障害等により手助けや見守りを要する人の貧困の実態」『貧困研究』No.15,pp.99-121

中澤さん

寄付額に応じて優秀賞の本数も増えます

ただ、アーティストを経済的に支援したいという思いはもちろんありますが、なにより皆さんには純粋にアートを楽しんでいただきたいという思いも。ぜひ気軽にご覧になってください。

森久保

ちなみにアーティストが応募する際の規定はあるんですか?

中澤さん

障害者手帳をお持ちの方であれば、誰でも自由に参加していただけます。

テーマやサイズはすべて不問。スケッチブックやスマホで描かれた作品も受け付けています。

そしてコンテストの開催期間は5月1日〜6月30日。その後、結果発表は7月31日の予定です。

森久保

かなりバリエーション豊かな作品が集まりましたね。

中澤さん

ぜひ新しい感性との出会いを楽しみにしていてください。

私たちはこのコンテストを通じて、応援者と障がい者がともに豊かになれる社会を目指してまいります。

中澤さん

また、私たちがネット上で運営している「障がい者アート美術館」では、過去の作品に寄付することも可能です。

寄付の一部は、アーティストが支援金として受け取ることができるので、ぜひこちらもご覧になってみてください。

手軽にアーティストを応援できて作品の選考にもかかわれるなら、より“推しがい”がありそうです。

応援したい“きもち”を“かたち”に。この取り組みに興味を持った方、共感したという方は、ぜひチェックしてみてください。

〈執筆=箕田圭一/編集=古川裕子〉

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