「パレスチナの本当の姿を伝えたい」大量消費の世の中で“小さなお買い物”を広めるブランドづくりに密着
パレスチナの手仕事を、日本の日常に
新R25編集部
店舗やネットショップで販売するアイテムを、卸価格で仕入れられるプラットフォーム「goooods」。
自分の情熱を追いかける“アントレプレナー(起業家)”が増えてほしいという想いでリリースされた同サービスには現在、800を超える魅力的なブランドが掲載されています。
そこで企業トピでは、goooodsとのコラボ企画を開始! 「Everyone, entrepreneur.」と銘打って、ビジネスを通じて自分の情熱を追いかけるブランドオーナーを紹介していきます。
今回は、日本×中東パレスチナのカワイイを届けるクリエーションブランド「架け箸」のブランドオーナー・髙橋智恵さんが登場。
パレスチナで育てられている「オリーブ」の木から作られた製品や、伝統工芸にまつわる商品を販売しているそうですが、髙橋さんとパレスチナには一体どんな関係が…? ブランドの立ち上げ背景や、商品に込めた想いを伺いました。
〈聞き手=小池千加奈(企業トピ編集部)〉
パレスチナの“本当の姿”を日本に伝えたい
髙橋さん
「架け箸」は2020年に立ち上げた、中東パレスチナ×日本のカワイイを届けるソーシャルブランドです。
「素敵に国境はない」をモットーに、生まれた場所やルーツにかかわらず、あらゆる文化、人々が尊重される世界を目指しています。
小池
どうしてパレスチナにまつわるブランドを作ろうと思ったのでしょうか?
髙橋さん
きっかけは、大学在学中に中東パレスチナにて1カ月のホームステイをしたことです。
パレスチナって、どんなイメージがありますか?
小池
紛争もあるし、正直“危険な地”というイメージが強いですね…
髙橋さん
そうですよね。国際的な経緯もあり、パレスチナの人々は生まれながらに「パレスチナ問題(イスラエルとパレスチナの対立を軸とした国際紛争)」を抱えています。
現地に行って、自身の日本での恵まれている暮らしと、自由も安全も守られていないパレスチナの人々との間に圧倒的なギャップを感じました。
そのとき、「自分はこのまま恵まれた人生を歩んでいるだけでいいのか?」という想いが生まれたんです。
髙橋さん
同時に、世間一般の「パレスチナのイメージ」と「実際のパレスチナ」のギャップも強く感じていて。
実際にパレスチナに行ってみると、歴史ある美しい風景が広がっていたり、優しい笑顔で迎えてくれる人々がいたりします。
活気ある市場、スパイスやコーヒーの香り、アザーン(お祈りの時間を告げる声)の音…そこで生きる人たちの“日常や暮らし”があったんです。
この経験から、パレスチナで見聞きした“本当の姿”を伝え、その手仕事を日本に届ける「架け箸」を立ちあげようと決めました。
大量消費の世の中で”小さなお買い物”を広めたい
小池
パレスチナの“本当の姿”を届けるために、ブランドで大切にしていることはありますか?
髙橋さん
まず、大量生産・廃棄型ではなく、小規模で顔が見える直接取引をモットーにしています。
日本はモノで溢れていて、たくさんの商品を作ってしまえば、環境破壊やゴミ問題につながります。
そうならないためにも、商品の背景にある物語を知って”小さなお買い物”を楽しんでほしいんです。
小池
たしかに…背景を知っていれば、ちょっとしたモノでももっと大切にできる気がします。
髙橋さん
「架け箸」では、私自身が顔を知っている団体・個人のみと協業して直接取引を行っています。
離れてしまった「消費と生産の距離」を近づけることで、モノを大切にする方が増えるといいなと思っています。
パレスチナの伝統工芸と、日本らしい”カワイイ”を融合
小池
「架け箸」ではどんな商品を販売しているのでしょうか?
髙橋さん
おもに取り扱っているのは、オリーブの木から作られた箸やキッチン用品などの製品と、伝統刺繍や織物とアップサイクルを組み合わせた布製品の二分野です。
まずご紹介するのが、「オリーブの花咲くお箸」。
パレスチナ一帯はオリーブの原産地で、その栽培の歴史は紀元前にまでさかのぼります。
毎年秋にオリーブの収穫があり、そのあとに木の健康状態を踏まえて剪定をします。
剪定された枝や幹は木材業者に渡り、さまざまな工芸品・日用品に生まれ変わるんです。
髙橋さん
このお箸を作っているのは「Holy Land Handicrafts Cooperatives Society」という中東で一番古い世界フェアトレード連盟(WFTO)*加盟団体です。
私たちはこの団体のアミラさんいう方と、直接やり取りをして商品を買い取っています。
オリーブの木100%、しかも無塗装でしっとりと手に馴染む使い心地が特徴です。麺類や鍋、煮物におすすめの滑りにくいお箸なんですよ。
*開発途上国の人々の自立と生活環境の改善を目指す世界中の組織が、1989年に結成した国際的なネットワーク
髙橋さん
ほかにもオリーブの木を使った製品はたくさんご用意していて、この「もくもくオリーブローチ」も人気です。
ニットやデニム、ジャケットまで、さまざまなファッションに合わせやすいブローチなんです。
小池
食卓やファッションという日常で、ものづくりの背景を感じることができるんですね。
髙橋さん
そうなんです。ほかにも伝統文化を組み合わせた布製品も取り扱っていて…
こちらはパレスチナの伝統衣装にあしらわれる古い紋様を、日本での暮らしに馴染む色味に生まれ変わらせた、「パレスチナ刺繡ポーチ」です。
髙橋さん
パレスチナ刺繍は世界無形文化遺産にも認定されていて、パレスチナの伝統文化を感じながら長く使うことができるんです。
使い込むほどに綿糸が柔らかくなって、手触りも優しくなります。
パレスチナの手仕事品を通じて、みなさんに世界とのつながりを感じてほしいと思っています。
小池
パレスチナの伝統文化と、日本らしい色味…まさに“カワイイの融合”ですね。
髙橋さん
ありがとうございます。「架け箸」にはほかにも、個性豊かなパレスチナの手仕事品が揃っているので…
「架け箸」の商品を通して、みなさんに世界とのつながりを感じてもらえたらうれしいです!
ブランドがはばたく卸売プラットフォーム「goooods」
「goooods」には、今回ご紹介した「掛け箸」のように、ここでしか仕入れられないブランドの高品質なアイテムが多数揃っています。
商品ページでは、つくり手が商品にこめたブランドストーリーが読めるのも特徴。バイヤーのみなさんは、商品の質だけでなく、つくり手の想いも加味したうえで気に入った商品を選べます。
さらに…「goooods」では、新規ブランドの出品も鋭意募集中。
ご自身の情熱をもっと多くの方に広めたいと意気込むブランドオーナーのみなさんはぜひ、「goooods」で“アントレプレナー”を目指してみてはいかがでしょう?
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