企業インタビュー

 TikTokで物件内見。総フォロワー36万人超の「ないけんぼーいず」が打ち出す“不動産業界の新常識”

TikTokで物件内見。総フォロワー36万人超の「ないけんぼーいず」が打ち出す“不動産業界の新常識”

お問い合わせの8割以上がSNS経由!?

新R25編集部

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突然ですが、TikTokでこんなアカウントを見たことはありませんか?

不動産インフルエンサー・なかじさんと一緒に物件を内見するアカウント「ないけんぼーいず」です。

「なかじ」こと中島翔さんは、「不透明でちょっと怖いイメージのある不動産業界を変えたい」との思いからSNSでショートムービーの投稿を始め、2022年6月に株式会社ないけんぼーいずを起業。

不動産×TikTok”という革新的なスタイルをつくりあげてきました。

TikTokのフォロワーは約17万人(2023年10月現在)。InstagramやYouTubeなどを合わせると、合計フォロワーは36万人超え。SNSを見た視聴者からの問い合わせが急増しているそうですが…

じつはSNSのほかにも、“不動産の常識”を覆すような挑戦をしているようで…?

〈聞き手=山田三奈(企業トピ編集部)〉

8割がSNS経由、うち7割が女性。不動産業界の異端児

中島さん

「ないけんぼーいず」は、売買と賃貸の両方、とくに売買をメインとしている不動産会社です。

山田

「ないけんぼーいず」、TikTokで見たことあります! すごい人気ですよね。

このロゴ、見たことある人も多いのでは?

中島さん

ありがたいことに100万再生超えの動画を量産できていて、たくさんの方に見ていただいています。

なかには、1本だけで2,460万回まわった動画も。

再生数2,000万超えってどういうこと…TikTokおそるべし

山田

やっぱり、SNS経由でのお問い合わせが多いのでしょうか?

中島さん

そうですね。

普通は物件を見たいときのお問い合わせ先って、「不動産メディア」か「来店」かじゃないですか。

でも「ないけんぼーいず」は、お問い合わせの8割以上がSNS経由なんです。

山田

8割も…SNS経由だと、どんなお客さんが多いんですか?

中島さん

お客さまは男女20〜35歳がボリュームゾーンで、うち7割が女性です。

若い女性から頻繁にお問い合わせがくる不動産会社は、そうそうないと思うので…この業界では、かなり珍しい営業スタイルだと思いますね。

女性スタッフがいるから、一人暮らしの女性でも安心して相談できそう。こういう親近感がお問い合わせに繋がっているのかもしれません

“顧客体験の質”を向上させる「3つの新常識」

中島さん

じつは、「ないけんぼーいず」の“業界で異例のチャレンジ”はSNSだけじゃありません。

ほかの不動産会社にはない、“顧客体験の質”で差別化をはかっています。

新常識① 担当者ファースト

中島さん

そのひとつが、「担当者ファースト」であること。

“気になる部屋”から選ぶ「物件ファースト」ではなく、“信頼できそうな担当者”から選ぶという仕組みです。

山田

ふつう部屋を選ぶときは「物件ファースト」ですよね?

中島さん

はい。ただ「物件ファースト」だと、担当者ガチャになってしまうじゃないですか。

いい物件に出会えるかどうかが、“たまたま当たった担当者の力量”にかかってしまう。

そうすると、「この人ちゃんといい物件見つけてくれるのかな?」って警戒しながら相談を進めることになると思うんですよ。

山田

たしかにそうですね…物件探しはいつも警戒から始まります。

中島さん

そうではなく、最初から心ひらける“信頼できる担当者”と一緒に物件探しができるのが「担当者ファースト」の強み

ないけんぼーいずでは信頼を担保するために、営業メンバー含め、全員に7つのルールをもうけていて…

ないけんぼーいず7つのルール

① 不動産仲介業をもっと高尚に

② 最強のgiver集団

③ 常識を疑え

④ 礼儀・感謝・尊敬を忘れない

⑤ 常に楽しく全力チャレンジ

⑥ 付加価値を作り出せ

⑦ スピード命

中島さん

このルールを徹底しているから、お客さまに安心してお任せいただけていると思います。

信頼できる担当者が「ヒアリング」から「提案」までのコミュニケーションを一貫しておこなうので、結果的に満足度の高い物件とも出会いやすくなるんです。

新常識② 初回アポで内見をしない

中島さん

お客さまとのコミュニケーションの取り方も、ほかとはちょっと違った方法をとっています。

一般的には、物件に問い合わせがあると、初回のアポはその物件の内見をすることがほとんどなのですが…

「ないけんぼーいず」では、初回で内見をしません。

山田

じゃあ初回は何をするんですか?

中島さん

お客さまの今後のライフプランなどを、90分くらい時間をかけてじっくりヒアリング。

理想と現実を言語化して「本当に住みたい家」がクリアになってから、物件探しに入っています。

山田

へえ〜なんだかキャリアコーチングみたいですね!

中島さん

まさにそんな感じです。実際、話していくうちに最初の要望から変更するケースも多いんですよ。

以前、物件購入のご相談に来ていただいた20代後半の男性は、広い家に憧れていて、当初は都外の2LDKを検討していたんですが…

話をしていくうちに、だんだん「結婚の予定がなく、将来的には売却したい」という意向があることに気づいて。

山田

話すなかで現実が見えてきたんですね。

中島さん

結局、職場に近い都心の1LDKを提案し、最終的にはそちらに決定しました。

このようにお客さま一人ひとりに合った物件の提案を強みにしていることで、40〜50%と非常に高い購入率を維持できています。

新常識③ 周年パーティーに成約者を招待

中島さん

今年の6月に、会社の周年パーティーを開催したんですが…

顧客との関係を深めるために、1年間の成約者さまをご招待しました

山田

え…?会社の周年を顧客とお祝いするってことですか?

中島さん

はい!

前例のないことなので、最初は「そこまできていただけないかな」と思っていたのですが…40名ほどの成約者さまにお越しいただけて。

山田

40人も…?すごい。

中島さん

社員とお客さまが垣根なく話したり、今後のビジョンを共有させていただいたり。

みんなで会社をつくっているような一体感も生まれて、楽しい会となりました。

大手の不動産営業マンが、「なかじ」としてバズるまで

山田

何から何まで異例づくしですが…

そもそも、中島さんが「ないけんぼーいず」を始めようと思ったきっかけはなんだったんですか?

中島さん

新卒で大手不動産会社に勤めて、中古不動産の仲介営業を経験したんですけど…

お客さまの本意でない提案古い組織体制に疑問を感じていて。

山田

苦しい不動産営業マン時代があったんですね。

中島さん

真逆のカルチャーであるサイバーエージェントに転職し、広告本部でアプリのプロモーションやマーケティングを経験しました。

そのあとMakuakeに転職。中小企業を中心に2年間で1,200件以上の新規案件をコンサルティングしました。

山田

会社員としてかなり忙しく働いていたと思うんですが…

なぜSNSアカウントを始めることに?

中島さん

Makuake時代に、たまたま友達の物件購入を手伝う機会があって。

物件購入の相談や手続きを進めていくなかで、不動産業界の「不透明な取引」とか「不誠実な対応」を改めて感じたんですよね。

お客さんにとっては一生のお買い物になるのに、こんな対応じゃ信頼できない。だったら信頼できる不動産情報を発信するアカウントを自分でつくっちゃおうと思って。

それが「ないけんぼーいず」の始まりです。

不動産業界の闇(?)をわかりやすく啓蒙する動画もアップしています

山田

そこからどうやってフォロワーを増やしてきたんですか?

中島さん

TikTokはわりとすぐ伸びましたね。

1本目ですでに270万再生まわったので、1カ月で1万フォロワーを増やすことができました。

山田

なぜ1回の投稿でそこまで伸ばせたと思いますか?

中島さん

サイバーエージェント時代の広告知識や、Makuakeの営業コンサル時代に培ったキャッチコピー力が活きましたね。

あとは「騙しなし!ウソなし!押し売りなし!」で、お客さまに誠実であること

本来ならネガティブに感じられる物件の情報もリアルにわかりやすく伝えることで、多くの人々の関心を引けたんだと思います。

山田

なるほど…まっすぐ不動産と向き合ってきた結果ですね。

中島さん

透明性と誠実さは当時からずっと大事にしていることで、今も「お客さまにも従業員にも日本一ホワイトな不動産会社」をビジョンとして掲げています。

ないけんぼーいず」が、不動産の「ちょっと怖い」「お堅くて楽しみづらい」というイメージを変えていく

それによって、より安心して、より自分に合った家を見つけられる業界になっていったらうれしいです。

怖くてお堅いイメージがはびこる不動産業界に、“新しい常識”を打ち出す「ないけんぼーいず」。

SNS上で顧客とコミュニケーションを取りながら理想の住まいを探すスタイルは、顧客に安心感を届けるための最善策なのかもしれません。

なにより、ベッドでごろごろしながら内見できるのは最高なので(!)…みなさんも「なかじ」さんと一緒に内見してみては?

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