企業インタビュー
顧客を知ればビジネスは楽しい!「IKKAN× ECPower」顧客セグメント起点のマーケティング戦略
ストレスのないレコメンドで新規顧客、リピーターを創出
新R25編集部
戦略プランニングを軸に分析、改善、運用までを一気通貫したマーケティングを行う「株式会社IKKAN」。
2021年の設立以来、EC領域を強みとした既存のマーケティングにとらわれない戦略を提供しています。
今回はIKKANの役員・小林諒佑さんと、顧客のデータ分析ツールを開発・提供することでパートナーシップを結んだ「株式会社ECPower」CEO・増田大夢さんの対談をお届け。
「コミュニケーション」と「顧客セグメント」から生まれたマーケターのためのCRMプラットフォーム「ECPower」がもたらす、ECストアの未来とは?
〈編集=青山実央(新R25編集部)〉
ECPower株式会社とは?
2020年創業。マーケターのためのCRMプラットフォームを運用している。ECサイトのリピーター育成・LTV向上を支援する顧客セグメントツール「ECPower」の開発・販売を行う。
【増田大夢(ますだ・ひろむ)】東京大学工学部卒業。2020年7月に株式会社ECPowerを創業。株式会社サイバーエージェントへ新卒入社、ABEMA広告本部にてCM配信担当のエンジニアとして従事。データサイエンス領域のデータ・アルゴリズムエンジニアとして、最適なCM配信のためのデータ分析基盤の作成、データ分析とアルゴリズム設計を行う
「こんな人たち」で管理する、マーケターのためのCRM。様々なツールに散らばる「離脱リスク顧客」 「ロイヤル顧客」 「特定の商品のファン顧客」などの顧客セグメントを一括管理し、リピートマーケティングをセグメント起点にアップデートすることができる
顧客とのコミュニケーションで生まれたマーケティングツール「ECPower」
増田さん
最初はエクセルでデータを収集しAPIをつないで自動化したダッシュボードを作っていました。
毎日のデータ更新やリアルタイムでのデータ可視化が可能になって、お客さまから好評をいただいて。最初は要求されたデータをただ出すことに集中していました。
小林さん
全領域のお客さまの要望に合わせたアウトプットをするみたいな。
増田さん
そうです。でも「これって終わりがないな」って…
小林さん
終わりがない…?
増田さん
データを“見る”ことが目的化してしまっていたんです。
本来は「誰もがECで稼げるようにするためにはどうしたらいいのか」というテーマを掲げて始めた事業だったのに、このデータ分析が本当にテーマ達成のために役立っているのか、と疑問が湧きました。
小林さん
その疑問をどうやって解消したんですか?
増田さん
お客さまから「複数の条件でクロス分析できるのがうれしい」という声を聞いたとき、「これだ!」って思ったんです。
顧客セグメントを作成して、そこからさらに多様な条件でラベル付けできるようにすれば、マーケターにとって効果的なデータが提供できるのではないかと。
増田さん
ユーザーが求めていたのは単なるデータ分析の機能ではなく、自分たちのビジネスに、どんな顧客がどれくらいいるのか、という顧客解像度なのだということに気づきました。どんなビジネスでも同じですが、顧客が見えていないとうまくいかないんです。
だからこそ、自分たちのビジネスにおける成功は、 お客さまの抱える顧客が何を求めているのかを理解することから始まるのだと気づきました。
小林さん
なるほど、最初は“データ分析”に特化していたけど、お客さまの要望に応える形で、次第に“顧客を見るツール”としての側面が強くなったと。
増田さん
そうです。そこで立ち上げたのが、「ECPower」です。
「何で」届けるかよりも、「誰に」届けるか
小林さん
IKKANのクライアントを見ても、セグメント化された顧客に対し、確度の高い商品をレコメンドする重要性が増しています。
増田さんの言うとおり、「何で」届けるかよりも、「誰に」届けるかを中心に提案することが多くなりました。
なので、私も含めて、ECPowerのツールを積極的に使うべきだし、マーケティング観点でも注力すべき点だと感じています。
増田さん
IKKANさんのアプローチとして特に素晴らしいと思ったのは、売り上げを新規顧客とリピーターに分けてから、数字だけで分析するのではなく、顧客解像度を高めるための工夫があるところです。
たとえば、リピーターを増やすために「このニーズを持っている人」「あのニーズを持っている人」と実質的に意味のある区分けで分解し、アプローチしていくやり方がとても良いと感じました。
小林さん
ありがとうございます...!
IKKANが多く抱えているアパレルのクライアントさんを例に挙げると、シーズンごとに顧客の動向を把握し、それを施策化して、MD計画や適切な在庫管理に活かすことが、とても喜ばれています。
ユーザー行動の傾向をつかんで、ニーズのある顧客にしぼって配信する。そうすると顧客側も、自分に合った情報を受け取れる。
ブランドに対するロイヤリティを下げることなく、新規顧客、リピーターが創出できるんですよね。
増田さん
僕らも最初は顧客セグメントをどう使えばいいのかわかりませんでした。
その正解のひとつを示してくれたのが、IKKANさんです。
小林さん
正解ですか?
増田さん
IKKANさんがアパレル業界をよく知っていて、普段からそういう提案をされているからこそ、“プロダクトの価値を引き出せる使い方”を言語化してくれた。
僕らはマーケターでもなく、アパレルのECに詳しいわけでもないので、データを抽出する仕組みは作れてもどう活かせば、お客さまの事業の価値をより引き出せるのかが見えていなかったんです。
提供先のお客さま自身も、データを使って事業価値を高めたいと考えているけど、活用の仕方が理解しきれてないこともあって。
これは大きなギャップでした。
増田さん
たとえば、「シーズンごとにセグメントをこう分解して戦略を作っていくといいですよ」とか、「商品タグを使って同じ系統のグラフィックで見ていきましょう」とか。
ECPowerのデータを活用して、お客さまにそういった提案をしていただいているのが、我々としてはとてもありがたい。 本当に大事なポイントだと思います。
小林さん
うれしいです。
実際、使い方として合っているかなと、ちょっと不安もあって…
増田さん
めちゃめちゃ合ってます(笑)。
小林さん
ECPowerさんが想定した “マーケティングとしてのアウトプット” や “MDとしてのアウトプット” は若干違うかなと少し思ったりもしていて…
増田さん
僕たちは常に新しい仕組みや尖ったプロダクトを提供したい。サービスを使う人が増えていって、そこで出てくる新たな課題に対して、プロダクトで応えることができるのが理想です。
そういう意味で、ひとつのヒントをIKKANさんにいただけてるので、僕らはすごくポジティブだと思うし、そのあたりをどんどん深掘りしていきたいですね。
線でつないで分析する。グループをつなぐマーケティング
小林さん
そんなECPowerさんとIKKANは、このたび活用支援に関してのパートナーシップを構築しました。
クライアントがECPowerを導入すると、「分析から施策展開」に強みを持つ私たちのソリューションに説得力が増すと考えているんです。
そして…私個人としてもECPowerは好きなプロダクトなので、ぜひ相互作用でストレスのないレコメンデーションを実現していけたら、と思っています。
増田さん
ありがとうございます!
ECPowerとしても、IKKANさんのソリューションを下支えできる機能をどんどん追加していきます。そのひとつが「カスタマージャーニー」です。
これは、新規顧客の流入経路や、リピーターであれば何回目の購入なのかなどを組み合わせて分析。これにより「ロイヤル顧客」をどう育成していくか、プロセスをモニタリングする機能なんです。
小林さん
流入経路がSNSであれば、インスタなのか、Facebookなのか、またリピーターか新規顧客かでアプローチする方法は変わりますもんね。
増田さん
その最適なルートを作成し提供することも、クライアントのマーケティング精度向上に一役買うと考えているんですが、以前はセグメントが“点”だったんです。
それを“線”でつないでいくアップデートを行うことで、その名の通り“カスタマージャーニー”をデザインすることができる、というイメージです。
小林さん
今後、力を入れていきたいことはありますか?
増田さん
インサイトの強化ですね。
セグメントを切るだけでは意味がなく、顧客の特徴やニーズ、興味を正確に把握することが マーケティング活動を楽しくし、精度を向上させるカギだと思っています。
そのために、行動情報をもとにしたセグメント切りや、切り方のバリエーションを増やし、顧客の実際の動向に手が届くような機能強化を進めていきたいです。
小林さん
なるほど...!
IKKANを通じてECPowerを導入すると、全機能を1カ月間無制限で試せます。
さらに、IKKANがよく使用している分析方法をすでにレシピとして準備しているので、 導入直後からECPowerによる分析をすぐに体験できる仕組み。
私ももっと多くの方に「ECPower」を使ってもらいたいです!
「ありがとう」を増やせば、ビジネスが楽しくなる。
小林さん
今回例に挙げたアパレル業界は、アートの要素が非常に強い領域で、「形がユニークだから売れた」「イケてるグラフィックが好評だった」というようなクリエイティビティが活かされる場面が多い。
そこにEC Powerを活用した売上がベースとして存在すれば、通常のロジックを超えてアートに挑戦し、その領域を最大限に活用することが可能になる。
ここに、アパレル業界で導入する最大のメリットが生まれると確信しています。
その意味でも、ECPowerをインフラとして持つ重要性を強く感じています。
増田さん
私たちはサービス作りのなかで「顧客を知ることがビジネスを楽しくする」というモットーを持っています。
つまらなく感じるときは、推進するビジネス計画のなかに顧客が介在しないとき。誰に向けて何を提供しているのかがわからないと、やるべきことが曖昧になったり、結局成果が出なかったりすることも。
その観点から考えると、顧客を深く理解するためのツールであるECPowerは重要な役割を担えるはずです。そのうえで、クライアントがさまざまなビジネス戦略に挑戦できる環境を提供することが、私たちの目指すところです。
顧客のニーズを理解し、それに応えられれば、ストアとしての評価も上がり、顧客満足度も上がります。これが実現したら、素晴らしいですよね。
ECPowerを通して、ストアも顧客も、「ありがとう」の総量を増やしていってあげたいです。
株式会社IKKANのマーケティング戦略と、株式会社ECPowerの顧客セグメントツールが合わされば、まさに「虎に翼」ですね。
気になる方は両企業のサービスをチェックしてみてください。
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