企業インタビュー

和漢方の製法がヒントに。世界初クラフトコーラ専門メーカーの発起人が明かす“一筋縄じゃない”誕生秘話

和漢方の製法がヒントに。世界初クラフトコーラ専門メーカーの発起人が明かす“一筋縄じゃない”誕生秘話

「コカ・ペプシ・イヨシ」の夢を叶えるために

新R25編集部

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ここ数年、話題を集めているクラフトコーラ

「コーラは体に悪い」という常識を覆し、天然由来のスパイスから手作りされているため、健康志向の人からも支持を得ています。

このクラフトコーラ、なんと発祥は日本なんだとか。

ムーブメントを牽引しているのは、2018年に創業した世界初のクラフトコーラ専門メーカーイヨシコーラ」です。

なんでも、本場・アメリカの大手コーラブランドではすでに使われなくなっている“コーラの実”を使い、シナモン、クローブ、カルダモンなどの原材料を、“和漢方由来の絶妙な製法”で合わせているとのこと。

発祥人であり、自らを「コーラ小林」と名乗る、イヨシコーラ代表に詳しく聞いてきました。

〈聞き手=鳥山可南子(企業トピ編集部)〉

和漢方職人の孫が“秘匿されたレシピ”と出会ったら…

鳥山

クラフトコーラが流行るまで「コーラは作れるもの」という認識がありませんでした。

コーラ小林さん

私もそう思っていました(笑)。

元々、私が大のコーラマニアで…大学時代は趣味の釣りをするため、釣竿一本を片手に世界中を旅しながら、各地のコーラを飲み比べていたんです。

カフェインの含有量が世界一のドイツのアフリ・コーラ、世界一おいしいといわれるイギリスのキュリオスティーコーラ、ペルーで国内シェア1位のインカ・コーラ…

鳥山

見たことも聞いたこともないコーラの銘柄ばかり…!

コーラ小林さん

そのときはまだ、“ただコーラを飲むのが好きな人”でしかなかったんです。

でも社会人一年目に、たまたまネットサーフィンをしていたとき、アメリカの怪しいサイトで「これが100年前のコーラのレシピだ!」という記事を発見したんです。

鳥山

へぇ…!

コーラ小林さん

レシピが本物かどうかは定かでなかったけど…内訳をみたらシナモン、ナツメグ、バニラエッセンスと、聞いたことあるスパイスが並んでいて。

「コーラは天然の材料から作られているんだ」という驚きとともに、「これなら作れるじゃん!」と気づいたんです。

さっそく買い集め、とりあえず全部一緒に煮込んでみました。

鳥山

そこでイヨシコーラができたのですね!

コーラ小林さん

いえ、全然まだまだ。“なんとなくコーラ風味のシロップ”ができあがったのですが、不味くはないけど特別おいしくもなくて…

ただ、元来負けず嫌いで凝り性な私は、それで逆に「感動するほどの究極のコーラを作りたい」という想いが強くなりました。

当時は広告代理店に勤めていたのですが、時間を見つけてはスパイスの配合や、火を入れるタイミングを変えたり…

大学時代は農学部の実験系の学科に所属していたので、いろいろな方法を試してPDCAを回しました。

でも2年半続けてもなかなか納得する味にたどり着けなくて…一度は気持ちが途切れかけたんです。

鳥山

2年半も…!再浮上したきっかけはあったのですか?

コーラ小林さん

祖父が亡くなって、下落合にある実家に帰って遺品整理をしたときです。

祖父は和漢方職人で、伊東良太郎(いとう・りょうたろう)という名前から取って「伊良葯工(いよしやっこう)」という工房を開いていました。

工房に遺された資料や道具を見ながら、叔父や母から「火を入れるとき、こんな大変なことがあったよね」とか「これを配合するときは、こうやってひと工夫していたよね」とか、思い出話を聞いて…

それで「この和漢方の製法がコーラづくりに活かせるかもしれない!」と、ピンとひらめいたんです

イヨシコーラの店にいまでも残る「伊良葯工」の看板

鳥山

そうか、スパイスは漢方薬の材料でもありますもんね。

コーラ小林さん

さっそくその日の夜、家に帰ってコーラづくりを再開しました。

企業秘密なので詳しくは話せないのですが…スパイスに火を入れる工程や、煮込むときに入れる順番や時間を変えました。

そうしたら、自分一人ではたどり着けなかったであろう、香りやコクが今までのものとまったく違うコーラができたんです!

そのとき、初めて「誰かに飲んでもらいたい」と思いました。

世界初の専門メーカー誕生までの道のり

鳥山

ついに、目指していた「感動するほど究極の味」に近づいたんですね!

コーラ小林さん

自分でも「殻を破った!」と感じました。同時に「これは、自分にしかできないことかもしれない」とも。

それからすぐに貯金をはたいてフードトラック「カワセミ号」を購入し、2018年7月28日に国連大学前で開かれる青山ファーマーズマーケットに出展することにしたんです。

「コーラは作れない」という常識や既成概念へ挑戦する自分と、水中へ自ら突っ込んでいくカワセミの姿が重なって…ロゴもカワセミがモチーフです。

そして屋号は、祖父の和漢方工房の「伊良(イヨシ)」を取って「イヨシコーラ」と名付けました。

コーラ小林さんの“相棒”カワセミ号。初めて買った車なのだとか

鳥山

「世界初のクラフトコーラ」というキャッチコピーも、そのときに?

コーラ小林さん

はい。“自家製コーラ”や“ホームメイドコーラ”という言い方はこれまでも存在していました。

実は“クラフトコーラ”も、大手メーカーの触れ込みなどで使われていたことはあったのですが、私的には“クラフト”の使い方がしっくり来ていなかったんです。

その点、私のコーラは天然の材料を混ぜ合わせていること、なにより2年半かけて試行錯誤をした、職人的なこだわりがあることから、“クラフトコーラ”という言葉がピッタリだ!と思いました。

そこで、「世界初」の「クラフトコーラ専門メーカー」と名乗り、活動を始めたんです。

鳥山

初出展の結果はいかがでしたか?

コーラ小林さん

1杯500円で150杯販売したところ…完売したんです!

会社員として振り込まれる給料とは違い、自分がつくったイヨシコーラを目の前で笑顔で飲んでいただき、その対価としてもらえる500円は、とても重かった。

よく「お金は誰かを幸せにした対価」と言われるけど、それが身にしみてわかったんです。

それからは仕事がない週末を中心に、マーケットに出展する日々でした。

祖父の伊東良太郎さん(上)と、フードトラックに立つコーラ小林さん(下)。面差しが似ています

鳥山

平日は広告代理店に勤め、休日はクラフトコーラ販売…想像するだけで忙しそう。

コーラ小林さん

休日に遊びにいくのと同じ感覚で、ただただ楽しくて、まったく苦ではありませんでした。

でも“小規模な工房で手作りされたコーラ”という意味でのクラフトコーラ屋さんは、文字どおり世界初だったわけで…

「自分にしかできないことをやろう」と決意し、5カ月後の2018年12月に「コーラ屋になります!」といって広告代理店を退職したんです。

そして、みんなが知っている大手の二大ブランドと肩を並べるまでに成長させたい! という野望を込めて…

コカ・ペプシ・イヨシ」をビジョンに掲げ、2019年1月に会社を立ち上げました。

鳥山

起業してからは順調に成長を?

コーラ小林さん

いえ、最初は自分ひとりでスパイスを挽いて焙煎して調合して煮込んで、週末に出展して販売して…と、ルーティーンをこなすだけで手一杯でした。

これではコカ・ペプシに肩を並べるなんて、到底できないと思い、少しずつ販売を手伝ってくれる人を募って、私はコーラの開発に専念するようにしたんです。

おかげで、材料のひとつである“コーラの実”をガーナまで行って視察し、納得するものを仕入れることもできました。

鳥山

“コーラの実”というものが存在するのですか?

コーラ小林さん

そうなんです。コラの木になる果実で、滋養強壮効果があると言われている、コーラの語源です。

現在では、二大ブランドは香料で代用しているとの話ですが…現地では「神様からの贈り物」とも呼ばれていて、ピースフルなものなんですよ。

私がつくるコーラもピースフルであってほしい、との想いから…こだわりのコーラの実と、いろいろなスパイスを混ぜ合わせてつくっているのがイヨシコーラなんです。

販売店は500店以上!開発は苦労の連続だった

鳥山

起業から5年経ったいまでは、だいぶ取り扱い店も増えていますよね。

商品ラインナップを拝見したところ、種類もすごく豊富で驚きました。

「イヨシコーラ」のラインナップ

・イヨシコーラの原点、炭酸で割って飲む「魔法のシロップ

・伝統の職人技で作るプレムアムな一本「IYOSHI CRAFT COLA」(瓶タイプ)

・技術鍛錬によって生み出された、多くの方に愛される「イヨシコーラ缶」(缶タイプ) など

コーラ小林さん

「イヨシコーラ缶」は、2023年の新発売と同時にローソンでも販売されました。

7月に一度限定販売したのですが、お客さまにご好評いただき、ありがたいことに12月から再販することになったんです。

前回は1都4県でしたが、今回は1都6県に拡大。数量も増えました。

ローソンで販売されている「イヨシコーラ缶」。鼻に抜ける高麗人参の風味がクセになります

鳥山

人数が増えたとはいえ、ローソンの規模を考えると、自社工房のみでつくるのは大変なのでは…?

コーラ小林さん

そうなんです。「より多くの方にイヨシコーラを届けるにはどうしたらいいか」と考え、海外にも発送できる”缶”という形態に挑戦することに決めたのですが…

既存の製法では、缶の充填ラインにスパイスや柑橘の顆粒がつまってしまうという問題がありまして。

さらに、缶の充填ロットに見合う量のシロップを製造するには、人手も場所も足りませんでした。

鳥山

どうやって解決したのですか?

コーラ小林さん

まず、シロップはカレー界やクラフトビール界の専門家に力を借り、イヨシコーラらしいこだわりを残した新しいシロップを開発しました。

そして、自社工房でシロップのコアパートを製造してから協力会社へ運び、ボトリングができる状態までシロップを完成させる。

そこからさらにボトリング会社に運んで、ソーダと合わせて缶に詰める、という方法を取ったんです。

あわせてクラウドファンディングもおこなったところ、多くの支援をいただきまして…

本当にたくさんの方にご協力いただいて、完成にたどり着くことができた、大切な一品なんですよ。

「イヨシコーラ缶」製造時に出る“コーラ粕”を使った温浴施設イベント「イヨシコーラの湯」も開催。2023年12月に開かれた3回目のイベントには、全国107の温浴施設が参加

鳥山

たしかに、缶なら国内外問わず発送も可能だから、喜ばれそうです!

コーラ小林さん

はたから見たらイヨシコーラは順風満帆に進んできたように見えるかもしれません。

でも、一歩踏み外したら奈落の底に落ちてしまうような、暗い一本道を歩いてきたような、そんな感覚があるんです。

とくに「イヨシコーラ缶」の開発がスタートしてからは、「いろいろな方の期待を裏切れない」「半端なものは出せない」というプレッシャーから、本当につらい道のりで…

でも一方で、そのプレッシャーがあったからこそ、多くの方の力を借り、イヨシコーラの頼もしい仲間とともに完成までたどり着けたんだと思っています。

鳥山

「コカ・ペプシ・イヨシ」に一歩ずつ近づいているのですね。

コーラ小林さん

創業当初から言いつづけてきた夢です。

これまで何度も馬鹿にされたり、笑われたりしてきました。

「イヨシコーラ缶」が完成したいま、やっとその夢のスタートラインに立つことができたと感じています

世界に名を馳せる二大ブランドに分け入るのは、並大抵のことではありません。

でも、コーラ小林さんの創業秘話や、コーラにかける情熱を聞くと、近い将来もしかしたら…と思わずにはいられませんね。

イヨシコーラは、全国に販路を広げているほか、オンラインストアもあるので、味わってみたい方は取り寄せてみてください。

また、創業の地・下落合と渋谷神宮前の2店舗では、ミルクと割ったものなど、コーラ小林さんが「おいしい!」と自信を持っておすすめする絶妙なブレンドのドリンクが飲めるので、お近くの方はお立ち寄りを。

そして…コーラ小林さんの夢や、イヨシコーラのビジョンに共感したら、一緒に働くという手も。

気になる方は、採用ページをご確認ください!

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