企業インタビュー

“理想を超える”ワンストップリノベーションで、住まい・社会・業界構造も変える「クジラ株式会社」の価値

“理想を超える”ワンストップリノベーションで、住まい・社会・業界構造も変える「クジラ株式会社」の価値

「SEKAI HOTEL」で地方創生や空き家問題にもアプローチ

新R25編集部

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住まいの選択肢として近年、注目度が高まっているリノベーション。

クジラ株式会社は、“ワンストップ”を武器にする大阪のリノベーション会社で、古くなった物件を生活スタイルに合わせて新しく、カッコよくつくりかえる事業を行っています。

その活動は個人の住まいにとどまらず、商業施設やオフィス、さらには空き家問題と地方創生にアプローチできる“まちごとホテル”化事業を推進し、全国展開しているそうで…

代表取締役・プロデューサーの矢野浩一さんディレクターの山根広大さんに、仕事のこだわりや想いをうかがいました。

〈聞き手=青山実央(新R25編集部)〉

お客さまもチームの一員。プロと一緒に理想を超えるリノベーション

矢野さん

クジラ株式会社は、「未来に繋がる「カッコいい」を創る」をミッションに掲げ、さまざまな不動産のリノベーション事業を手がけている大阪の会社です。

営業・デザイン・施工までのすべてをワンストップで提供していて、個人の住まいだけでなく、地方創生を目指す自社ホテルブランドも運営中です。

矢野さん

一般的にワンストップリノベーションというと、不動産の紹介・購入からローン計画、設計デザイン、施工までを一括で行うことを指しますが…

クジラでは、さらに「ほしい時に、ほしいプロの意見を、お客さまの選択肢としてそろえる」ことを可能にしています。

青山

ほしい時に、ほしいプロの意見というと?

矢野さん

クジラでは、営業担当だけがお客さまとコミュニケーションを取るのではなく、デザイナーも、施工管理者も、職人も、全員がチームになってコンサルティングをしているんです

たとえば…昔は住まいをつくるとき、大体の相談は大工さんとのやり取りで、解決していました。

「この場所に あそこの山の木を使って、こういった設計で建てれば、夏は涼しくて、冬は暖かい家になるよ。ご親戚の家からも近くて、職場や商店へもすぐ行けるよ」

といった感じです。

山根さん

場所選び(不動産)、設計(デザイン)、施工(建築)など、ライフスタイルを解釈した暮らしの提案、コンサルティングまで、すべて大工さんが担っていたんです。

矢野さん

でも今は、お客さまのニーズをはじめ、技術や建材、デザインも多様化していて…

大工さんだけですべてを網羅することは不可能といっても過言ではありません。

青山

たしかに…家族の形や生活様式が複雑化しているうえに、デザインなんかも素敵なものの情報があふれていて、お願いする側も“正解がわからない”と迷うことが多そうです。

矢野さん

そうなんです。

だからこそ、私たちの住まいづくりはさまざまなプロフェッショナルがチームを組んでお客さまと向き合います。

山根さん

そして、お客さまもチームの一員です。

お客さまとデザイナー、加えてそのとき必要な“プロ”を集めて議論を進め、お客さまの理想を“超えていく”住宅デザインを実現します。

青山

自分も家づくりの一員になって関われると、愛着もひとしおですね…!

山根さん

住まいのリノベーションって、結構こだわりたい人も多いはず。大きな買い物なので、重要度の高い決断の連続です。

そのときに営業やデザイナー、施工管理者などさまざまな視点からの意見がそろえられれば、お客さまの選択肢が広がり、納得した決断ができます。

青山

たくさんの専門家の意見を聞いて決められるのはいいですね!

山根さん

それに、私たちに依頼すれば、営業から施工まですべて行えるので、費用も抑えることができます

矢野さん

私たちのメリットは、「まとめて」「効率よく」「安く」だけではありません。

クジラは、不動産×デザイン×建築のワンストップリノベーションを通じて、個人向けや地域事業など、あらゆる場面で最適な空間を提供します

最近では、商業施設やホテルなど個人宅以外も担当しています。

地域住民といっしょに商店街まるごとを “ホテル化”

矢野さん

また、クジラでは商店街をまるごとホテル化する「SEKAI HOTEL(セカイホテル)」を全国に展開しています。

青山

商店街をホテル化?

矢野さん

SEKAI HOTELは、空き家問題や地方創生にアプローチするリノベーション会社ならではの自社ホテルブランド

ホテルといえば、館内で飲食やお風呂、お土産品の買い物など、すべてが完結する施設が一般的ですが…

SEKAI HOTELは、そうした概念を払拭。点在する地域の空き家をリノベーションにより客室として利用しながら、まち全体を大きなホテルと見立てて宿泊以外を地域に委託する、という“まちごとホテル”事業です。

山根さん

合言葉は“旅先の日常に飛び込もう”

飲食や買い物は地元で愛されているお店で楽しんでもらって、お風呂は銭湯を利用したりして。

青山

何それ! めちゃくちゃ楽しそう!

矢野さん

大阪によくある「飴ちゃん持って行き!」の世界です(笑)。

街のいたるところで、そうした人と人との触れ合いが起こっています。

矢野さん

2017年に大阪下町の“ありのままの日常”に飛び込めるホテルからスタートして以来、現在は全国に展開しています。

青山

観光ではなく、“日常”…

知らない日本の魅力がまだまだたくさんありそうですね。

山根さん

事実、SEKAI HOTELの展開によって 、空き家の利活用だけでなく、地域経済の活性化にもつながっているというデータも出ているんですよ。

矢野さん

さらに今後、そうした旅先での“日常体験"が地域経済や社会全体にインパクトをもたらす可能性を信じ、パートナーシップ事業の募集にも注力しています。

各エリアで地元の企業と協力し、SEKAI HOTELのブランドやノウハウを共有することで、新たな「SEKAI HOTEL」を展開し、地域の活性化を推進します。

矢野さん

SEKAI HOTELはきっかけにすぎません。

地域内外にファンを増やし、地域活性のための投資や新たな経済効果の創出、多様なスキルを持った人材の輩出など、深い地元愛を持った人々で作り上げるエコシステムの実現を目指しています。

富山県高岡市で有名な書店・文苑堂書店の本店跡地をリノベーションしたSEKAI HOTEL Takaoka

外観は文苑堂書店の名残を残しながら、“青のまち、高岡”をイメージした、ブルーを基調とするオシャレな空間が広がるロビー

「縦割り組織」体制を打破し、唯一無二の価値を生み出す

青山

社会課題を解決しながら新しい価値をも生み出している印象ですが、それを可能にする秘密はどこにあるのでしょうか。

矢野さん

旧態依然とした不動産・建築業界って、組織形態が「ヒエラルキー型」なんですよね。

業界内の企業同士もそうですし、社内でもそうです。 “上”から自分や自社に順番が回ってきたら、任された役割をこなして次へ繋ぐ…というような。

でもこれだと、自分に近い先輩・後輩など一部の関係者としかコミュニケーションが取れないし、なによりお金も時間も余分にかかってしまいます。

クジラでは、この「縦割り組織」に象徴される慣習を見直し、経験・年齢などに関わらず、全員がフラットな関係性で、同じタイミングでユーザーや課題に向き合える「ホラクラシー型」を採用しています

矢野さん

ホラクラシー型の組織には「組織形態に正解がないのが当たり前」という考え方なんです。

役職などに関係なくプロジェクト単位でチーム編成していくので、とてもフレキシブル。外部変化に対応するための組織変化もスムーズにできます。

何より一番の利点は、それぞれが“目的ごとに手段を変える思考”になっていくこと。

組織上層部が「正解」を決めてそれを追求するヒエラルキー型組織と違って、ホラクラシー型組織では課題解決のための「最適解」を追い求める考え方と行動が必要になるんです。

山根さん

クジラは先輩・後輩、スタッフ・社外メンバー、立場に関係なく議論し合える体制を整えています。

社員は新卒入社比率68.4%と高く、過半数が20代で、平均年齢29.4歳。若手が中心となって組織を引っ張ってくれています。

入社1年目の社員がプロジェクトリーダーになることもあるんですよ。

青山

1年目でリーダーとは…! いろいろな方が意見を出しやすいことで、新しい発見もたくさん生まれそうですよね。

山根さん

そのとおりです。私たちは住宅・店舗・ホテル・オフィスなど、幅広いリノベーションのご相談をいただきますが、お客さまに提供する価値はひとつとして同じものにはなりません。

画一的な価値提供に慣れてしまっている業界の慣習を打ち破るべく、「コンサルできるスペシャリスト集団」を目指しています。

「未来の生き方を創る」社会に優しい不動産事業を目指す

矢野さん

私たちの仕事は、未来の生き方を創っていくこと。

暮らしも、街も、仕事も、社会も、あらゆるものごとは、不動産・デザイン・建築の上に成り立っています。

そして、大規模開発で発展を遂げてきた不動産・建築事業も、変革のときを迎えているとクジラは考えます。

矢野さん

クジラのミッションに含まれている“カッコいい”とは、「恰も好し」

「より派手に」「より大きく」ではなく、お客さまにとって、社会にとって、地球にとって「ちょうどよい状態」になることです。

いよいよ日本の社会構造が大きな変化を始めるタイミングで、クジラは次世代の業界トップランナーとなれるよう、社会に優しい不動産業・建築業を目指していきます。

リノベーションを通して住まいに新しい可能性を与えるだけではなく、地方創生などの社会課題にも向き合っているクジラ株式会社。

数多くのリノベーション事例はもちろん、SEKAI HOTELについてもSNSで情報発信をしているので、気になった方はぜひチェックしてくださいね。

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