地域で見つける新たな可能性。Uターン・移住転職を支援する「くれ・ひろしま第二新卒エージェント」
なりたいと思っていた自分に、今なれていますか?
新R25編集部
出生人数が減少する一方、若者の都市部への流出は増えているといいます。
とくに広島県では2023年度、大学・短大進学時の転出超過が1,689人と、過去10年で2番目に多い数字を記録したんだそう。
そうしたなか、広島・呉地区で第二新卒向けのエージェントサービスを立ち上げたのは、株式会社せとうち協創パートナーズです。
代表取締役の市川明さんが見据える、地域未来とは?
〈聞き手=古川裕子(新R25編集部)〉
地域密着型エージェントが挑む、新たな雇用創出の取り組み
市川さん
株式会社せとうち協創パートナーズは、「この街と、協創(Co-Creation)する」を経営理念に、せとうち4県(山口・広島・岡山・愛媛)の企業に対し、地域密着型の人材採用サービスを展開している企業です。
このたび、新しく「くれ・ひろしま第二新卒エージェント」というサービスをスタートしました。
呉・広島地区を中心に、第二新卒者を応援する完全無料の転職支援を行います。
古川
瀬戸内のなかでも、今回は呉地区が中心なんですね。
市川さん
今、日本では全国的に生産年齢人口が減少していますが、呉地区はその減少幅が全国平均よりも高い*んです。
また、広島県では大学・短大進学時の「転出超過」が多い理由として、学生からは「魅力ある企業がないから」との声が上がっています。
*2020年→2045年において△38,640人、減少率33.8%。日本全体では約20%の予測
古川
地元にいたくても、希望する仕事を見つけにくいのか…
市川さん
そうなんです。呉は、戦前は東洋一の軍港として栄え、戦後も造船や鉄鋼といった産業を中心に発展してきたのですが、現在では広島県のなかでもヒトに関する課題が深刻です。
地域経済の持続的な発展を考えると、現時点での若年層の雇用確保は急務となっています。
古川
なるほど…市川さんも呉で生まれ育ったんですか?
市川さん
実は私は、もともと埼玉県の出身です。ただ、呉は私を社会人として育ててくれた大切な土地なんです。
私は下関市立大学経済学部を卒業後、呉信用金庫に入庫しました。その後は広島県の教育サービス企業の取締役管理本部長、大手転職エージェントの中国地区専任コンサルタント、地元の地方銀行グループの転職エージェントなど、ずっと「広島×ヒト」に関わる仕事をしてきたんです。
古川
長く広島に根ざした仕事に携わってこられたんですね。
市川さん
そうしたなかで、これまでは即戦力人材の紹介を中心とした転職エージェントのサービスを展開してきましたが、今度は地域課題を解決し、呉の地域経済を一緒に盛り上げていきたいという思いで、新サービスをスタートさせました。
「新卒入社で3年以内に辞めるのは3割」第二新卒に特化した理由
古川
何で「第二新卒」をターゲットにしているんですか?
市川さん
先ほどお話しした転出超過の問題だけではなく、厚生労働省の調査によれば、新規学卒就職者の就職後3年以内の離職率は高卒で37%、大卒で32%と、3割の人が退職しているという事実があります。
古川
新卒で就職しても、早くに辞める人がそこそこ多いと。
市川さん
一生懸命就職活動をして慎重に会社選びをしても、社会に出てからギャップを感じ、あらためてキャリアの選択をしている人が多いことがうかがえますよね。
そこで、まずは求職者の方たちに「呉・広島地区には魅力的な企業がたくさんある」ということを、もっと知ってほしいんです。
地元で就職したい人やUターン希望をしている人、移住したいと思っている人の受け皿になれればと考えています。
古川
一度社会に出た第二新卒だからこそ、気づく魅力があるかもしれませんね。
市川さん
雇用をする企業からの目線で見ると、新卒者の獲得競争が激化をしており、新たな観点からの採用が必要になってきています。
地域経済からの目線で見ると、採用ターゲットを第二新卒にすることで地域での長期間にわたる雇用や、定住による活性化を目指すことができると考えています。
古川
具体的には、どのような形で転職支援をしてもらえるんでしょうか?
市川さん
まずは、オンラインによるカウンセリングを行います。
そのうえで地域非公開求人の紹介、履歴書・職務経歴書の書き方や面接のアドバイスまで、丁寧に伴走します。
利用料はすべて無料なので、少しでも興味をもったら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
ミスマッチをなくし、自分らしく働くために。両面型サービスの強みとは
古川
このサービスの強みはどんなところでしょう?
市川さん
最大の特徴は、求人企業・求職者の双方を私自らが専任担当し、一気通貫のサポートをする点です。
大手の転職エージェントでは、求人企業と求職者を別々に担当する「分業型」が当たり前で、紹介求人数は多いものの、企業の生の情報を知ることが難しいというデメリットがあります。
一方、求人企業と求職者をどちらも担当する「両面型」であれば、社風など、求人票ではわからない細かな情報もお届けできるようになります。
古川
市川さんのこれまでのご経験も活きてきそうですね。
市川さん
はい。私はこれまで、金融機関や個別指導塾運営といったキャリア経験から、地区の年収や家賃相場、教育環境などのリアルな状況も把握しています。
地域事情にも精通しているので、将来的なライフプランまで見据えたキャリアの相談・提案が可能です。
求人企業と求職者のミスマッチが少ない、質の高いサポートが強みですね。
市川さん
実は広島は、皆さんが知っている企業がたくさん発祥している地なんです。
マツダや青山商事、DAISO、セーラー万年筆、タカキベーカリーなど…
そのほか、一般的には知名度が高くなくても、 BtoBの領域でニッチトップや独自の強みをもつ企業もたくさんあります。
古川
たしかに聞いたことある企業ばかりだ…
市川さん
また、一般社団法人アクティブベースくれが主催する第26回地域活性化支援制度にて、当社は「幸運(グットラック)」を受賞しました。この団体は、呉市及びその周辺地域の活性化を図る事業に対し資金援助を行い、地域社会の振興・活性化を目的としています。
応募件数32件のなかから選考の結果、受賞先7先に当サービスが選ばれたのですが、これは地域から期待をいただいている証。その期待に応えられるよう、今後も精進していきたいと思っています。
市川さん
人や企業にはそれぞれの個性がありつつも、「地域」という共通項があると、思いが繋がり、共鳴し、大きな原動力になると日々感じています。
これからは、この第二新卒エージェントサービスを通じて呉地区の魅力ある企業の情報発信を行ない、さらには呉地区の各教育機関や行政、企業との連携を模索した、ビジネスエコシステムの構築をすることまでが私のミッションです。
広島に縁のある方もない方も、この街で暮らしながら、自分らしく、なりたい自分に向かう一歩を踏み出してみませんか?
「社会人になったけど、思ってたのと違った」「もっと夢を追いかけたい」など、描く道は人それぞれ。
もし、今後の自分に悶々と悩んでいる方がいたら、キャリアのプロ・市川さんが新しい可能性を示してくれるかもしれません…!
〈執筆=吉河未布/編集=古川裕子〉
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