企業インタビュー
なぜ優等生たちは「運営」を目指すのか? “不寛容社会の元凶”を若新雄純・武田双雲が徹底議論
管理職至上主義に警鐘!
新R25編集部
「新R25チャンネル」で新たに始まった、“不寛容を撲滅するヒント”を有識者たちと議論する番組「不寛容撲滅会議」。
前編では、“寛容”を体現されている若新雄純さんと武田双雲さんが「なぜ日本は不寛容になったのか?」について神解説してくれました。
中編はさらに踏み込んで、「日本人特有のキャリア観」と「不寛容社会」の関係性を紐解いていきます。
自ら“不寛容の中枢”に向かう優等生たち
渡辺
「SNS」って、人とのつながりやチャンスを広げる一方で、不寛容の元凶にもなっている気がするんですけど…
お二人はどう捉えていますか?
武田さん
ここ数年、インフルエンサーを目指す人も増えていて、“何者かになりたいブーム”があると思うんですよ。
武田さん
で、「何者かになりたい」と思って追い求めているものって、意外に権力だったりするじゃないですか。
渡辺
フォロワー数とか登録者数とかって、もろ発言力に直結しますもんね。
武田さん
そう。寛容を求めてるようでいて、結局みんな不確定な未来への恐怖をはねのけるための“権力”を求めてるんじゃないですかね?
若新さん
それで言うと…
インフルエンサーだけじゃなくて、ネットでよく「運営頑張れ」とか言われてる、あの「運営」っていうのも権力に近いのかなと思ってて。
若新さん
この前、岩手の進学校の学生たちが修学旅行ついでに訪問に来てくれてわかったんですけど…
今の10代で進学校に行くような優等生って、基本的に「運営」を目指してるんですよ。
「みんな、将来何になりたいの?」って聞いたら、「…運営っすね」って言われて(笑)。
武田さん
あ、そっちなんだ…(笑)。
若新さん
運営って規格やフォーマットを作ったりするから、ある意味で“管理する支配力”を持つじゃないですか。
そのポジションにつきたがるってことは、「“不寛容なルールを作る側”でいれば、“不寛容なルールの被害者”にはならずに済む」って発想が根本にある気がするんです。
つまり多くの受験生は、不寛容をなくすために勉強してるわけじゃなくて、“不寛容を作る側の中枢”に行くために勉強してるんですよ。
「MBAなんてその最たるものです。“運営マスター”ですからね(笑)。」
若新さん
もちろん社会には「運営」が必要なんだけど、その枠ってそこまで多くないんですよ。
…にも関わらず、全員が「運営になる大会」に出場している。
この大会で運営になれなかった人が、「運営」に対してイライラして、不寛容さを発揮してしまっている。
これが今の“不寛容社会”の構図な気がするんですよね。
不寛容から抜け出せるのは“一人で食っていける人”だけ
武田さん
たしかに僕は、人や社会に対してイライラすることはほとんどないんですけど…
僕や若新さんはなんで寛容でいられるんだろう?
若新さん
やっぱり、若いときからプレイヤーとして稼いでるってのがあるんじゃないですかね。
若新さん
運営ポジションになると、「勝手なことするなよ」って“不寛容なことを言う側”にもなるし…
当然そう言うからには、国民が政治家を叩くのと同じように、みんなから“不寛容なことを言われる側”にもなってしまうじゃないですか。
でもそういう組織の影響を受けずに一人のプレイヤーとして生きていければ、みんなに「勝手なことするなよ」って言う側に回らなくて済むんですよ。
渡辺
管理職を目指すキャリア観から抜け出さないと、不寛容が循環する構造に巻き込まれちゃうんですね。
若新さん
向き不向きがあるから、「運営が得意だな」って思う人は運営を目指せばいいと思うんです。
…ただやっぱり、賢くてセンスがいい人とか、秀でた才能のある人の中で「運営向きじゃないわ」って思う人は、一人で食っていける道を探すべき。
その選択肢を持つための方法を、みんなが学べるようになったらいいと思うんですよね。
若新さん
たとえばドイツって、日本と似たような歴史を辿ってきたはずなのに、日本ほど“新卒”とか“就活”の概念がないんですよ。
優秀でセンスある子は、「学校卒業したら、フリーランスで仕事していくわ」って人が結構多いらしくて。
渡辺
へえ〜!
若新さん
そうやって若いときからプレイヤーとして輝ける道を選べたら、「運営」になれなくて拗ねなきゃいけない確率が下がるじゃないですか。
そっちを目指す優秀な人が増えるべきかなってちょっと思ってますね。
不寛容社会の元凶は…「運営」。
本動画のコメント欄も、この「運営」をめぐって意見が飛び交っています。動画を最後まで観たら、あなたの意見もコメントしてみてください!
▽ 中編動画はこちら!
若新さん・武田さんと議論する「不寛容撲滅会議」は、今回ご紹介した中編のほかに、前編・後編の3本立てでお送りしています。
▽ 前編動画はこちら!
▽ 後編動画はこちら!
どれも、自分では言語化がなかなか難しかった“不寛容の本質”にふれる、濃厚な30分間を過ごせるはず。
次のゲスト回では、果たしてどんなテーマが飛び出すのか…ぜひご期待ください!
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