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「なぜ、指原莉乃の話は共感されるのか?」スピーチのプロが明かす“人を惹きつける話し方”

「なぜ、指原莉乃の話は共感されるのか?」スピーチのプロが明かす“人を惹きつける話し方”

言葉ひとつで、伝わり方は変わる

新R25編集部

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「もっと話し上手になりたい」 「トーク力を身につけたい」

そう思う人は多いのでは?

そこで「企業トピ」にて展開する「新R25書籍トピックス局」では、千葉佳織さん著『話し方の戦略 「結果を出せる人」が身につけている一生ものの思考と技術』(プレジデント社)に注目。

千葉さんいわく、「話し方に“才能”なんていらない」そうで…?

より良いコミュニケーション能力を身につけるためには何が必要なのか、お聞きしました。

〈聞き手=古川裕子(新R25編集部)〉

千葉さん

私は現在、ビジネスパーソンを対象に「話し方トレーニング」サービスを提供する株式会社カエカを経営しています。

スピーチライター・トレーナーとして、これまで経営者や政治家の方など5,000人以上の話し方を改善してきましたが、もともと私は話にきらめく器用さがなく、話す才能がある人をずっと羨んでいました

古川

え、そうなんですか? これほどまでに“話し方のプロ”になれたのは、何がきっかけだったんでしょうか?

千葉さん

高校1年生の頃に、日本語のスピーチ競技「弁論」と出合ったのがきっかけです。

人前で堂々と話す先輩たちのかっこいい姿に憧れて弁論部に入部し、話し方を徹底的に学びました。基礎的な発声練習から始まり、原稿作成、ダメ出しを受けては原稿を推敲。20回以上書き直し、納得できるものが仕上がったら1,600文字の原稿を丸暗記。

そして、誰にでも情熱が伝わり、明瞭に聞こえる話し方を毎日3時間練習し続け、ようやく大会に出場する…ということを繰り返していました。

そんな環境で鍛え上げられた結果、全国弁論大会で3度の優勝と、内閣総理大臣賞の受賞という成果を挙げることができたんです。

古川

まさに“叩き上げのスキル”を身につけられたんですね。

千葉さん

そこで学んだのが、話す力とは先天的な能力ではなく、スポーツや音楽と同じようにやり方を把握し、軌道修正していくことで上達するんだということ。

本当に伝えたいことを相手の心に響かせたり、人を巻き込んだりするためには、戦略を持って言葉を紡いでいかなければならないと実感したんです。

古川

なるほど…

千葉さん

私と同じように、ほとんどの人には話す才能はないと思っています。だからこそ、「戦略を持って話す」というマインドセットを持つことが大事なんですよ。

古川

とはいえ、そう簡単にスキルを身につけるのは難しそうです。コツってあるんでしょうか?

千葉さん

戦略は、良例を真似ることでも養われます。

また、私が話し方トレーニングを提供してきたなかで飛躍的に話し方が良くなる人は、学んだことを実生活に具体的に生かそうとする「素直さ」を持っている人。この心構えだけでも、“成長率”は大きく変わると思いますよ。

話が伝わらないのは“輪郭”がぼやけているから。「記憶に残る話し方」とは?

※以下、『話し方の戦略 「結果を出せる人」が身につけている一生ものの思考と技術』(千葉佳織)より

「話す目的を達成する」うえで、欠かせないものがあります。

それは、「コアメッセージ」です。

コアメッセージとは、話す目的を明確にしたうえで、具体的なフレーズに落とし込んだものを指します。

話す目的が明確であっても、コアメッセージが抜け落ちているケースは多くあります。本当に伝えたいことを明確にし、相手の記憶に残る話をするためには、コアメッセージは欠かせないものです。

例えば、会議で来期への抱負を語る場面があったとします。次のふたつの例を比べてみてください。

部長の山田です。今期は素晴らしい結果を出すことができましたね。本当にお疲れ様でした。来期に関しましては、事業が伸びている今だからこそ、自分たちの組織に問題がないか、冷静に見つめ直しながら前に進んでいくことが重要だと思っていますし、その冷静さの中にも、新しいチャレンジができているか、心に問い続けたいですね。そして、ひとりひとりが楽しんで仕事をしていくことがチームを強くすると考えています。頑張りましょう!

「組織を冷静に見よう」 「チャレンジをしよう」 「楽しんで仕事をしよう」……聞き手からすれば「なんとなく前向きなこと言ってたな」という印象しか残らない、輪郭のぼやけた話です。

コアメッセージを明確にしてみましょう。

部長の山田です。今期は素晴らしい結果を出すことができましたね。本当にお疲れ様でした。来期、とくに重要だと思うことがあります。それは、「事業が伸びている今こそ冷静になる」ということです。冷静というのは悪い意味ではなく、過信せずに前向きになる、という良い意味です。冷静さを持つことで、組織の課題にしっかり向き合うことができ、結果的に、これまでと同様の質の高い新しいチャレンジができると考えます。「今こそ冷静になる」。それが、日々の楽しさを生み出します。一緒に頑張っていきましょう。

つらつらと話していた内容が「今こそ冷静になる」というワンフレーズにまとまり、クリアに伝わってきます。

このように、コアメッセージとはいわば、「つまりなにが言いたいのか」をひとことで示すもの。

コアメッセージがあると、伝えたいこと、大事なことを聞き手の記憶に残すことができ、話全体もまとまったものになります。

総選挙1位に返り咲き。指原莉乃に学ぶ“心をつかむ”スピーチ術

ストーリーを語るうえで、気を配るべきポイントがあります。

それは、心がこもっていない、うわべだけの経験を淡々と語られても、人は共感もしなければ応援もしないという点です。

本当の意味で聞き手の心を動かすには、「自己開示」が必要です。

自己開示とは、自分の悩みや弱点、または強みなど、ありのままの自分を他者にさらけ出すこと。

とくに聞き手とのチームワークをつくったり、人間として魅力的であると知ってもらったりするために重要な要素です。

なかでも「弱みの開示」をうまく使えると、聞き手に共感してもらったり、応援してもらったりすることにつながります。

過去の失敗、自分の落ち度、言いにくいマイナス感情……そのような、自分が勇気を持って話さなければならないことが「弱み」です。

この弱みの開示をとても上手に使っていたのが、指原莉乃さんです。

2009年から2018年にかけて実施されたAKBの「選抜総選挙」。名前が読み上げられたメンバーは壇上でスピーチを行うのですが、その内容はファンのみならず世間の注目を集めるものでした。

2015年、第7回の総選挙で見事1位に返り咲いた指原さんは、このように語りました。

AKBに入って、なかなかセンターになれない私は、どうやったらセンターになれるんだろうと、ずっと考えていました。

(中略)

考えたけど、なれませんでした。私は開き直りました。私は指原莉乃をやり通そう、そう決めました。

(中略)

今年は、こんなに自分に自信のない指原が1位になることができました。全国の自分に自信のないみなさん、私のように、いじめられて、ひきこもりになって、親にたくさん迷惑をかけてしまったみなさん、日の当たっていないみなさん、私は、もう一度1位になることができました。

これまでの苦難や、自分に自信がないことなど、本来はキラキラ輝く瞬間を見せるはずのアイドルという職業とは対照的な、自分にとって不利になるかもしれない一面を開示しています。

それにより、努力して苦労してトップに辿り着いたことが聴衆に伝わる、とても多くの人を惹きつけるスピーチになっていました。

このように、自分にとって勇気が必要なことを語る、失敗を語るというのは、自分や組織を応援する人を増やすために非常に重要になります。

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