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仕事をお願いするとき、相手が「深く納得する」伝え方とは? プロが使いこなす“言葉の構造”

仕事をお願いするとき、相手が「深く納得する」伝え方とは? プロが使いこなす“言葉の構造”

同じことを伝えてるのに、自分が言うと伝わらない…なんてことありませんか?

新R25編集部

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「私が話しても、人が動いてくれない」「ハッとさせる伝え方をしたい」

そう思う人は多いのでは?

そこで「企業トピ」にて展開する新R25書籍トピックス局では井手やすたかさん著『伝え方図鑑 当てはめるだけで「結果」が変わる!コミュニケーション・フレーム73』(SBクリエイティブ)に注目。

井手さんいわく、「何を伝えるか」ではなく「どう伝えるか」を意識するだけで、伝えたい内容の“価値”が変わるそう。

本書第3部で取り上げているのが「言葉を強くする“伝え型”」。ポイントをおさえることで「なぜ自分の言葉はスルーされてしまうのか...」という悩みも解決できるとのこと。そのポイントを同書より抜粋してお届けします。

〈聞き手=森田志穂(新R25編集部)〉

ただ「語気」や「単語」を強くしても、言葉は芯から強くならない。

※以下、『伝え方図鑑 当てはめるだけで「結果」が変わる!コミュニケーション・フレーム73』(井手やすたか)より

単純に自分の発する言葉を強くしたいときに、単語のセレクトや、口調を変えて語気を強めるという方法があるかもしれません。

たとえば、「私は反省しています」という言葉を「私は、猛省しております!!!」と変えたとします。でも、この場合、「反省している感じ」はなんとなく強くなった気がするものの、本質的な意味にそこまで大きな変化はありません。

「強く」伝えるという目的を意識すると、シンプルに語気や単語を強くしたくなる気持ちはわかります。しかし、それでは表層的に強くなった気がするだけで、「意味」が強くなっていないのです。

これでは少し、もったいない。もちろん、相手に対して、心から反省したことを態度や声のトーンで表現するのはコミュニケーション要素のひとつです。でも、それは言葉の意味とは別の話。せっかく「伝え型」の知恵や技術を学ぶのであれば、表面だけでなく、芯からもっと強くできるはずです。

メッセージは「答え」として聞くと、記憶に残せる。

一瞬考えさせることで、その後に伝える言葉は強くなる。

・手前に「前フリ」の質問を入れることで、伝えたいことを強くできるワザ。

・日常の会話、プレゼン、説明など、万能で幅広くどんなことにも適用しやすい汎用性あり。

・質問に対する答えが「意外なこと」だったり「なるほど感」を与えることを意識するとうまくいきやすい。

・逆に、考えさせなくてもわかるような当たり前のことや、期待外れのことを後半に持ってくると逆効果になるおそれがある。

めいっぱい引いた“前フリ”の矢は、伝えたいこととして深く刺さる。

伝えたいことが最も引き立つ、「対極」の前フリをしよう。

・矢の威力を最大まで高めるため、めいっぱい弓の弦を引くように、伝えたいことの威力を高める「対極」の前フリを用意することがポイント。

・伝えたいことの意味を読み解き、その対極はなんだろう、と発想していくとうまくいきやすい。

・あまり凝りすぎた表現や例えにこだわりすぎると、理解できなかったりややこしくなったりすることもある。シンプルに、わかりやすいことも意識する。

意味は「構造」から変えることで、強くできる。

言葉は、構造から変えないと強くならない。

それがわかるような例として、たとえば「私はお腹が空きました」というシンプルな意味の言葉を、構造的に変えることで強くしてみます。

「今、私がどういう状態かわかります?...お腹が空いてます!」

(「問→答の型」:伝えたいことを強くするために、事前に質問をはさむ)

「お腹が空きました。お腹と背中がくっつきそうなくらい、お腹が空きました。」

(「ずらしの型」:一部ずらして言い直すことで強くする)

「私史上最大の空腹、と言ってもいいほど、お腹が空きました。」

(「ネーミングの型」:名詞に変えることで強くする)

「正直申し上げていいですか?私...お腹が空きました。」

(「本音の型」:本音を素直に伝えてしまう)

言葉には、意味があります。

日常言語として結果的にふだん受け取っている印象は感覚的なものだとしても、その構造にはすべて論理的なメカニズムがあります。

仕組みがわかれば使いこなすことができるようになりますし、逆に言えば、構造がわかっていないと何度も再現して使えるものにはならないでしょう。

論理的、構造的、といった単語を聞いて難しく感じられたかもしれませんが、内容としては簡単なものです。ふだんよく聞く論法を、改めて構造として捉え直したものばかりのはずですし、むしろこんなフレーズ聞いたことがない、というものはないと思います。

たとえば、CMでよく使われる、「こんなときどうする?」→「そんなときはこの商品!」という論法は48「問→答」の型の応用です。

「サビで同じフレーズをくりかえして印象に残すヒット曲」は、53「くりかえし」の型の技法が使われています。

「自らの政策に個性的なネーミングをして印象に残す政治家」は、55「ネーミング」の型をうまく使っています。

「あの文豪がこよなく愛した宿」という老舗の旅館のキャッチフレーズは、70「お墨付き」の型の典型例です。

ふだん耳にする誰かの強い言葉に気づいたとき、「なぜその構造だと言葉が強くなるのか」を理解できているからこそ、やがて自分でも使えるようになる、という考え方です。

もちろん、使いたい場面に合わせて当てはめるだけですぐに使うことも可能なつくりになっています。必要に応じて使ったり、頭の中でシミュレーションすることで、みなさんの日常でお役に立てればと思っています。

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