

「社会人になってからでは遅い」中高生が“理想の学校づくり”から起業を学べるワークショップがすごい
学校教育が目指すべき“新しい教育のかたち”とは?
新R25編集部

2022年4月から、高校で「資産形成の授業」がスタート。
10代から“お金の勉強”が必修になりました。
ついにきたかという感じですが…「お金だけじゃなく、“起業の勉強”も必修にすべき」と主張する人がいます。
起業を学ぶ授業「START UP LAB」など、学生の主体性を引き出す“探究学習”を手がける、株式会社TOKYO EDUCATION LABの代表取締役・金井隆行さんです。
金井さんに「社会人経験を経てから起業の勉強を始めるのでは遅いんですか?」と疑問をぶつけたところ、「遅い」と一蹴されてしまいました。
その納得の理由とは…?
10代の生徒たちを見ている先生方や、お子さんを持つ親御さんはぜひ最後までお読みください。
〈聞き手=山田三奈(企業トピ編集部)〉
10代から“起業”を学ばないと遅い理由

山田
「10代から起業を学ぶ」って、さすがに早すぎませんか?
社会人経験を経てからでもいいような…

金井さん
いや、むしろ社会に出てから身につけるのでは遅いですよ。
今は、先行きが不透明で将来の予測が困難な“VUCA時代”。10年後の仕事ですら「ほとんどがAIに取って代わられる」と言われています。
今の10代の子たちが就職するころには、そもそも「就職」という選択肢が減少しているかもしれません。

山田
えぇ…
じゃあ、これからの学生はどうしたらいいのでしょう?

金井さん
「自分で起業する」という選択肢を持つことが大事です。
的確に時流を捉え、課題の本質を見極め、自分で解決できる「精神力」と「実行力」…
こうした「起業家精神」を、10代から醸成していくことが求められています。
生徒が主体的に起業を学べる「SCHOOL★LAB」が始動

山田
でも…
先生や親御さんも起業について学んでこなかったのに、どうやって教えたらいいのでしょう?

金井さん
「起業家精神」は、自分で事業を創造することでしか鍛えられません。
私たちが6月から提供を開始した起業ワークショップ「SCHOOL☆LAB」をぜひご活用ください。

山田
これはどんなワークショップなんですか?

金井さん
中高生を対象とした新しいワークショップで、生徒にとってもっとも身近な「学校」を題材に、“理想の学校を創るゲーム”を実施しています。
ゲームを通して、起業に必要な「志が同じ仲間との協働」や「起業するための思考やプロセス」を学べるんです。

山田
へえ〜…なんだか面白そう!

金井さん
ありがとうございます。
すでに何度か実践していますが、学生のみなさんがとても意欲的に参加してくれていて。
意見交換や協働が活発におこなわれる場になっています。
ワークショップの様子。みんな前のめりで取り組んでいます

山田
具体的には、どんなことをやるんですか?

金井さん
まず、1人ひとりが“理想の学校”を考えます。
それに基づき、自分と考えが同じ・似ている仲間を探してチームをつくる。
そのチームで、学校設立に欠かせない「事業計画(教育理念・教育内容・学校生活)」を考えていきます。
事業計画のプレゼンシート。「月の学校行事」や「必要なハード」まで、かなりこまかい…!

金井さん
次に、チームで考えた“理想の学校”を、「学校説明会」としてみんなの前でプレゼン。
みんなからの投票によって、学校運営費を決定します。

金井さん
そこからやっと学校の運営ですね。
学校運営で起こりうるトラブルも擬似体験しながら、その対処を含めた計画の成果を、運営費の増減に反映していきます。
最後に振り返りをおこない、学校運営=会社設立における基本プロセスを学んだら、ワークショップは終了です。

山田
なんか…思ったよりもちゃんと“起業”ですね。

金井さん
そうなんです。
自らの考えや想いを実現するためのノウハウ・思考を育み、他者との差別化を図る。
そうした体験から、新たな自分を発見する機会にしてほしいですね。
ワークショップ開発に想いはあれど…「本来は学校教育でやるべき」

山田
たしかに、10代でこのワークショップを受けたほうがいいし、受けたい学生さんも多そうだなと思いました。
そもそも、金井さんがこのワークショップを企画したきっかけは何だったんですか?

金井さん
「世界の変化に対応しながら、社会をよりよくするために行動できる人を、1人でも多く育てたい!」という想いが、今回のワークショップ開発のきっかけです。
「将来“起業”という選択肢もあること」「起業は決してハードルが高いものではないこと」を、このワークショップを通して手軽に学んでほしい。
そう願って、1年の製作期間を経て完成させました。

山田
1年も温めてきたんですね…!

金井さん
はい。でも、本音を言うと…
本来は私たちではなく、学校教育の一環として「起業家精神」の醸成に取り組むべきだと思っていて。

山田
ほう…

金井さん
今は夢が複数叶う“人生100年時代”だからこそ、学校教育で「生徒たちの可能性を広げる取り組み」が求められていると思うんです。
私たちはその取り組みをサポートするために、今後も生徒の主体性を引き出す探究学習のコンテンツを開発し、さまざまな学習機会を提供していきます。
クラスのメンバーだけではなく、“同じ志を持つメンバー”と一つのものを創り上げる体験ができる「SCHOOL☆LAB」のワークショップ。
今の時代はもう、「10代こそ起業を学ばないとまずい」という意識が必要なのかもしれません。
子どもたちの可能性を広げたい先生方や親御さん。一緒にワークショップを体験してみては?

株式会社TOKYO EDUCATION LAB
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