企業インタビュー

ほとんど「敗者」になることに、30代は気づけない。鈴木おさむが考えた“仕事を辞めるメリット”

ほとんど「敗者」になることに、30代は気づけない。鈴木おさむが考えた“仕事を辞めるメリット”

大きな話題となった「放送作家引退宣言」

新R25編集部

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ソフト老害”という言葉がXのトレンド入りするなど、鈴木おさむさんの「放送作家引退宣言」は大きな話題となりました。

「企業トピ」にて展開する「新R25書籍トピックス局」では、そんなおさむさんの『仕事の辞め方』(幻冬舎)をベースに、“仕事を辞める”ことの真意やメリットについて聞きました。

〈聞き手=天野俊吉(新R25副編集長)〉

おさむさん

僕は、2024年3月31日で、32年間やってきた放送作家業を辞めることにしました

脚本業も辞めます。

天野

あらためて、おさむさんほど地位のある方が、なぜ辞められるんですか…?

おさむさん

僕は19歳でこの世界に入りました。

19歳の僕を師匠の前田昌平さんは受け止めてくれて、放送作家生活がスタート。目の前の大人に認められたくて必死でした。

やり続けていたら、色んな出会いがあって、20代からSMAPとも仕事をさせてもらうことになり、とんでもないスピードで時間が流れていきました

天野

20代で当時のトップアイドルグループの仕事なんて、完全に憧れですよね…

おさむさん

そうですよね。

プライベートでも、大学を辞めたり、父の商売がしんどいことに気づかずに無理して大学行かせてもらってたら借金が1億円以上に膨らんでいて、それを返すことになったり、30歳のときに妻と出会い交際0日で結婚をしたり、その話がドラマになってしまったり…

待望の子供を授かったけど、残念な結果になり、調べてみたら自分が男性不妊だったり、妻が妊活休業して、ようやく子供を授かり、そのあと、放送作家業を一年休んで育休したり。

振り返ってみると、とても振り切った人生を生きてきたなと思っています

おさむさん

でも、あるとき、自分の人生を俯瞰で見たときに、40代後半から、おもしろく生きられてないなと思ってしまいました

ありがたいことに、今もたくさんのお仕事をいただき、作り手としては、やり甲斐のあるお仕事ばかりです。

ですが、ここ数年、作り手の前に人として振り切って生きられていないなという思いがずっとあり。

もう一つ、SMAPが解散してから、自分の中で120%の力が入りにくくなってしまったというのもあります。常に入っていた120%の力が入らないときも出てきてしまった。

天野

「辞める」と発表して、まわりの反応はどうでしたか?

おさむさん

長くお仕事をさせていただいた方々に、お話しさせていただいたんですが、理解していただきありがたかったです。

今田耕司さんに伝えたときには、「おさむくんのそのあとが楽しみです」と力強い言葉をいただき、背中を押されました。

皆さんには本当に本当に感謝しています。

僕が辞めることで、たくさんの方にご迷惑をおかけしてしまうと思います。本当に申し訳なく思ってます。

天野

「放送作家業引退」後、どんなことに取り組まれてるんですか?

おさむさん

“若者たちを応援すること”ができたらと思ってます

現在51歳。今だったらまだ間に合うなと

スタートアップへの投資やシェアハウスの提供などが話題となっている現在のおさむさん。今後の展開にも注目です!

30代では気づけない。「ほとんどが敗者になっていく」こと

※以下、『仕事の辞め方』(鈴木おさむ)より

テレビ局で僕と同い年の人を見てみると、51歳、出世している人は部長職、それ以上の職に就き始めている人もいます。

会社での「勝ち」 「負け」がかなりしっかり表れ始めている年代です

会社でラインに乗り、出世街道を突き進んでいる人はごく少数。会社では年を重ねれば重ねるほど「勝者」の数が少なくなっていきます。

会社での出世という概念だけで見ると、ほとんどが「敗者」になっていくのです。

これ、意外と30代では気づけなくて、頭ではわかっているけど、実感がないから自分事にならない。自分が「敗者」になる可能性が高いのだという実感が湧かない。ですが、年とともに実感していくんですよね。

では、自分は「敗者」だと気づいた人たちは、どうするか?それでも諦めずに会社で出世をするという道にこだわる。こだわった結果、勝利を手に入れる人も極まれにいます。

出世を諦めた人は、会社というものに対して割り切る。お金をもらうために働き、自分のやり甲斐を会社以外に求める。趣味を増やしたり、僕の個人的目線だと、ウォーキングやマラソンを始める人も多いですね。自分自身を見つめだすというか。そこで大切なものに気づいたりとか。

そしてもう一つの選択が、今の仕事を「辞める」ですね

50歳を超えて仕事を辞めるのは、20代の転職とは違って、かなりの覚悟がいります。

でも、そんな中、僕の周りの50代の方は、 「辞める」という決断をする人が増えています。40代となるとさらに多い。

辞める人はみな、自分の居場所を探して辞めるのだと思います。

家族との関係、子供がいる人は子供の年齢なども、辞めるかどうかの決断理由になっている。

辞めた人は、他の会社に転職するか、自分で会社を興すか。いくつかの形がありますが、その選択と挑戦がうまくいく人もいれば、残念ながら辞めて現実を知る人もいます。

僕自身もこれから辞めるわけですから、辞めた人の、辞め方やその後の動きをよく観察するようにしています。

すると、辞めた後がうまくいってる人といってない人では、辞める時の「辞め方」と、 そこまでの過程が、かなり違っている気がしてきました。

なので、僕も仕事を辞めるということをこの本で整理しながら、皆さんと一緒に、仕事を辞めるということは何なのか? 何の意味があるのか? 正しい仕事の辞め方とはどんなものなのか? 一緒に考えていきたいと思います。

「奥さんの言葉がすごく記憶に残ってる」仕事を辞めることのメリットとは?

大事なのは、「仕事を辞めた後に、次、何をしたいか」を先に考えるのではなく、 「今の仕事を辞める」ということについて考えてみること。

この時大切なのは、失うものを最初に考えないこと。

収入がなくなるとか。生活が変わってしまうとか。毎日会う仲間がいなくなるとか。

失うもの。辞めることによって起きるかもしれないネガティブな変化を先に考えてしまうと、辞めた先の「プラス」に思考がいかなくなるからです。

まず「辞める」ことによって起きるプラスを考えましょう

どんなプラスがあるか?

うちの妻が妊活休業で仕事を休んだ後に言ってたことで、すごく記憶に残ってる言葉があります。

仕事ですごく嫌いな人がいたら、避けることは出来るが、ちょっと嫌いな人って、まあまあいますよね。それって、もう相性の問題だと思うんですが、妻が「ちょっと嫌いな人、ちょっと苦手な人に毎週会うことって、結構ストレスだったんだ」と言っていました。

振り返ってみると、僕にも当然います。ちょっと嫌いな人。つまり苦手な人と仕事で会っていることは、小さなストレスとなり、それが積み重なって大きなストレスとなっていく。

自分が今の仕事で会う人で、「嫌いな人」はすぐに思い浮かびます。

では次に、 「ちょっと嫌いな人」 「苦手な人」を思い浮かべてください。

日々の仕事を振り返ってみると結構、頭に浮かびませんか?

もちろん、相手にとって自分が「嫌い」や「苦手」とされていることもあるかもしれません。「あの人、もしかしたら私のこと苦手なのかな」まで考えてみるといいでしょう。

今の仕事を辞めることで、大きなストレスになってる「嫌いな人」「苦手な人」に会わなくなることは、まず、気持ちをリセットしてくれます。

今の仕事を辞めてプラスのこと。人間関係をリセットすることが出来る。これはとても大きなことだと思うのです。

そして日々の「◯◯しなきゃ」がなくなることにより、時間の選択肢が出来る。日々の中で「◯◯しなきゃ」の積み重ねが、自分の人生の自由と選択肢を奪っているのです

今、この本を読んでいる大抵の方が、今の仕事を始めた後に、結婚したり、子供を授かったりして、家族という形になっているでしょう。

結婚したり、子供を授かると、まず、自分の時間の使い方が大きく変わってきます。

そして年を重ねてきて、40代になると、20代、30代の頃と違って、体にも変化が出てきますし、お酒の飲み方、遊び方も変わってきます。

時間の使い方に大きな変化が出てくるのですが、仕事は自分の都合に合わせてくれません。

日本人のワークライフバランスが変わってきている中、40代を過ぎて、自分の生活を第一にして、その生活、ライフスタイルにあった仕事を選び直すというのもこれからは大事だなと思います。

やはり仕事において「自分の代わりはいる」ということ、僕もそうですし、それは仕方のないことです。

そして結局、人は自分のことが一番大事だということが年を重ねるとわかってきます。

自分がこの仕事に絶対必要なんだと思う20代、30代。あれ?そうじゃないかもと思う40代。いつか絶対に気づくことです。そのための準備をしておくべきなのです

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