無理やり転職をすすめられたりしないよね…?

転職エージェントの登録は、転職する気がなくてもOK? 活用法をプロが伝授

キャリア

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専属のアドバイザーがつき、マンツーマンで転職支援を受けられる転職エージェント。

転職初心者に心強い存在ですが、いざ登録したあとにどんなサポートが受けられるのか、いまいちイメージしづらいですよね。

そこで新R25では、転職エージェントに精通した専門家2名に取材を敢行。

転職エージェントに登録するメリットや、登録から内定までの具体的な流れを教えていただきました。
松本さん

松本さん

人事・戦略コンサルタントの松本です。

アクセンチュアなどの大手外資系コンサルティング会社に24年勤めて、プリンシパル(部長級)を経て現職に至ります。人材マネジメントの支援をした企業は600社以上です。

さまざまな企業の人事とのつながりがあるので、企業側からの意見をふまえてコメントをします。
小林さん

小林さん

人材コンサルタントの小林です。法律系人材を取り扱う外資系ヘッドハント会社を経て、人材紹介事業をおこなう会社を設立しました。

2013年から厚労省認定の講師として、人材紹介事業者に対する法定講習を2500社以上に対しおこなっています。

転職希望者や転職エージェント、人事とのやりとりをベースに、私の利用経験もふまえてお話します。
※詳細プロフィールは記事の下部に記載しています。
〈聞き手=佐藤宇紘〉
※2020年8月現在、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、ほとんどのサービスで「Web面談」もしくは「電話面談」での対応をおこなっており、対面での面談は不要です。詳しくは各サービスの公式サイトをご覧ください。


また、転職市場に対する“コロナショック”の影響はこちらの記事で解説しています。

目次

1

転職エージェントってどんなサービス?

2

すぐ転職するつもりがなくても登録していいの?

3

転職エージェントに登録するメリット

①無料で相性のいい求人案件を紹介してもらえる

②転職活動の相談に乗ってくれる

③内定獲得のためのノウハウを教えてもらえる

④面倒なことをアドバイザーに一任できる

⑤非公開求人を紹介してもらえる

⑥自分の市場価値を把握し、キャリアプランを整理できる

4

転職エージェントは複数登録して、アドバイザーを見て厳選しよう

5

転職エージェントに登録したあとの流れとポイント

STEP1:転職エージェントに登録する

STEP2:面談でキャリア相談や求人案件を紹介してもらう

STEP3:選考の準備をサポートしてもらう

STEP4:内定後は給与交渉や退職のサポートをしてもらう

6

転職エージェントに関するよくある質問と回答

Q:転職市場に対する“コロナ”の影響は?

Q:自分で転職活動したほうがいいのでは?

Q:転職エージェントにデメリットはないの?

Q:登録したら志望してない企業へ入社させられるのでは?

Q:いいアドバイザーの見分け方は?

7

Q:転職サイトとの使い分けはどうすべき?

8

Q:そのほかに併用するといいサービスは?

9

【1128人が評価】おすすめの転職エージェント

10

おすすめ転職エージェントをキーワードから探す

11

転職エージェントの基礎知識

12

転職エージェントを使った転職活動の流れ

13

転職エージェントのよくあるQ&A

14

精通者たちの詳細プロフィール

転職エージェントってどんなサービス?

佐藤

佐藤

そもそも、転職エージェントとはどんなサービスなんでしょうか?
松本さん

松本さん

ざっくり言うと、無料でアドバイザーがキャリアの相談に乗ってくれるサービスです。

相性のいい求人案件を提案してくれるのに加えて、過去の実績などをもとに選考のサポートもしてくれます。
佐藤

佐藤

転職サイトとはどう違うんですか?
松本さん

松本さん

転職サイトは、さまざま企業の求人案件が集まっているサイトです。気になる求人案件を自分で探してスピーディに直接応募できるのがメリットですが、選考対策などは自分でしなければなりません。

なので一番の違いは「サポートをしてくれる仲介者の有無」ですね。

転職活動は慣れていないと自分ひとりで進めるのは難しいので、転職エージェントのアドバイザーに相談したほうがスムーズに転職できるかもしれません。
転職サイト転職エージェント
求人数転職エージェントと比べると多い転職サイトに比べると少ないが、
非公開求人がある
理想の求人との
出会いやすさ
自分で探す手間がかかるアドバイザーが相性のいい
求人案件を提案してくれるので
出会いやすい
選考の
サポート
サイト上の説明を見ながら
自分で進めないといけない
職務経歴書の書き方や
面接対策などを
アドバイスしてくれる
年収交渉自分でやらないといけないアドバイザーが代行してくれる
退職
サポート
自分でやらないと
いけないケースが大半
アドバイザーがサポート
してくれるケースもある

すぐ転職するつもりがなくても登録していいの?

佐藤

佐藤

転職するかどうか迷っている段階で、とりあえず登録だけしてみるのはアリなんでしょうか?
松本さん

松本さん

もちろんアリですよ。キャリアについての相談をするためだけに登録する方もたくさんいます
佐藤

佐藤

そうなんですね! 登録すると、すぐに求人案件を紹介されて転職活動が始まるわけではないんですか?
小林さん

小林さん

登録してから最初におこなうのは「アドバイザーとの面談」です。

すぐに転職を考えている場合は面談の場で求人案件を紹介してもらえますが、まだ迷っている場合は率直にその旨を伝えましょう

まともなアドバイザーほど、転職意向度の低い方もちゃんと相手にしてくれるので、求人提案なしのキャリア相談にも応じてくれるはずです。
松本さん

松本さん

求人案件を紹介されたとしても、転職の意向が低いなら無理に応募しなくてOKです。

もはや「転職エージェントは求人案件を持っている“人力データベース”」と割り切って、情報収集のために求人案件を見てみるのもいいですね。

転職エージェントに登録するメリット

①無料で相性のいい求人案件を紹介してもらえる

佐藤

佐藤

転職エージェントを使うと、どんなメリットがあるんでしょうか?
松本さん

松本さん

そもそも転職エージェントとは、プロのキャリアアドバイザーが、求職者の希望や経歴に合った企業を紹介してくれるサービスです。

最初のメリットは、求職者は無料で使えるということ。

転職エージェントのビジネスモデルは、1人の採用が確定した時点で企業からお金をもらう「成果報酬型」です。求人している企業がお金を払うため、求職者側は無料で使えるんです。
佐藤

佐藤

なるほど。無料で利用できるなら、気軽に登録できそうですね!

②転職活動の相談に乗ってくれる

小林さん

小林さん

2つ目のメリットは、アドバイザーが転職相談に乗ってくれること。

アドバイザーは、企業の担当者と綿密に連絡を取っています。なので、求人案件を紹介されるだけでなく、その企業のリアルな社風や中途採用者の活躍度合いなども教えてもらえます。
佐藤

佐藤

なるほど。転職サイト経由では、募集要項に書いてある情報しかわからないですもんね。
小林さん

小林さん

はい。事前に企業のリアルな情報を知っておくことで、転職にありがちな「入社後のミスマッチ」を防げます。

また、アドバイザーと「キャリアの棚卸し」を一緒にしていくことで、自分では気づかなかった新たな可能性を見出してもらえるかもしれません。

たとえば自分では「営業しかできない」と思い込んでいても、過去の実績からリサーチやコンサルティングなどの営業以外のスキルがあることを指摘してもらえるかもしれません。

アドバイザーと一緒に過去の経歴を整理することで、業種・職種の選択肢が広がっていきます。

③内定獲得のためのノウハウを教えてもらえる

松本さん

松本さん

提出した職務経歴書や履歴書を添削してもらえたり、面接での好ましい受け答えを教えてもらえたりと、基本的な転職ノウハウを教えてもらえるのもメリットのひとつ。

プロのサポートを受けながら準備できるので、右も左も分からないまま応募するよりも選考に通過する可能性が高まります。はじめての転職活動の場合は特に心強いでしょう。

④面倒なことをアドバイザーに一任できる

松本さん

松本さん

また、面接日程の調整や、内定後の年収交渉、入社前の手続きなど、面倒なことを一手に引き受けてくれるのもポイント。

在職中で転職活動に割く時間がない方、急いで転職を決めたい方にとっては大きなメリットです。現在勤めている職場の退職手続きなど、まわりには聞きづらいことも相談できますよ。

⑤非公開求人を紹介してもらえる

小林さん

小林さん

企業の採用サイトや転職サイトには公開されていない「非公開求人」を紹介してもらえるのもメリットです。
佐藤

佐藤

そういった求人案件はなぜ、わざわざ非公開にされているのですか?
小林さん

小林さん

たとえば、公にしていない極秘プロジェクトの人員募集などは、なるべく外部に情報が漏れないように非公開にされています。

また、応募が殺到しがちな人気企業の求人案件や、専門的なスキルを持った人だけを集めたい求人案件なども、企業側の選考の手間を省くために非公開にされることが多いですね。

いずれにせよやりがいのある求人案件であることが多いので、アドバイザーに聞いてみるといいでしょう。

⑥自分の市場価値を把握し、キャリアプランを整理できる

松本さん

松本さん

はじめて転職する方や20代の若手の場合、そもそも転職市場における自分の価値がわからないことが多いと思います。

アドバイザーにどんな求人案件を紹介されるのか知ることで、おのずと市場価値が把握できるのも、転職エージェントを利用するメリットですよ。
佐藤

佐藤

自分の強みや需要を、客観的に見られるんですね。
松本さん

松本さん

はい。転職初心者の場合、転職の理由がはっきりせずにもやもやしている状態が普通です。

転職エージェントを使えば、アドバイザーに悩みや希望を聞いてもらいながら「自分が今後どうなりたいのか」「そのためにどんな転職をすればいいのか」を整理できるでしょう。

転職エージェントは複数登録して、アドバイザーを見て厳選しよう

佐藤

佐藤

転職エージェントってたくさんありますよね。いざ登録するとなっても、どれを選べばいいか悩んでしまいそうです…
松本さん

松本さん

そもそも転職エージェントは、登録前の段階ではそれほど絞り込まないことをおすすめします。
佐藤

佐藤

えっ…なぜですか?
松本さん

松本さん

その理由はざっくり言うと次の2点にまとめられます。

①転職エージェントは成果報酬を企業から受け取るビジネスモデルなので、転職希望者は無料で使える

担当アドバイザーが転職の成否を分けるので、複数のサービスに登録してから厳選するといい
佐藤

佐藤

つまり、とりあえずいくつか登録して、担当してくれる人との相性などを見るといいってことですね。

どれぐらい登録すればいいんでしょう?
松本さん

松本さん

網羅的に求人案件を抱えている“総合型”と呼ばれている転職エージェントを2〜3個ほど。

さらに転職の希望が明確なら、特定の業界・職種に特化している“特化型”の転職エージェントも1〜3個併用するのがおすすめです。
佐藤

佐藤

でも多すぎると、やり取りが大変じゃないですか?
松本さん

松本さん

今の話はあくまで登録までの話です。アドバイザーと会ってみて相性などを確認してから、最終的に2人ぐらいに厳選すれば大丈夫ですよ。
実際に複数の転職エージェントを利用したことがある人に、アンケートをとりました。(サンプル数:807人)

転職エージェントに登録したあとの流れとポイント

小林さん

小林さん

転職エージェントに登録してからは、以下のような流れで転職活動が進みます。

STEP1:転職エージェントに登録する

小林さん

小林さん

それぞれの公式ページから登録します。たとえばリクルートは「リクルートエージェント」という転職エージェントのほかに、「リクナビNEXT」という転職サイトも運営しています。

このように同じ運営会社が似たようなサービスを提供している場合があるので、間違えないよう気をつけましょう。
・マイナビエージェントの公式サイトはこちら
・リクルートエージェントの公式サイトはこちら
・パソナキャリアの公式サイトはこちら
小林さん

小林さん

登録してから数日以内にメールや電話で連絡がきます。ざっくりと転職に関する要望を伝えてから、詳しい話をするために面談の日程調整をします。

場合によっては電話で対応してもらうことも可能です。

STEP2:面談でキャリア相談や求人案件を紹介してもらう

小林さん

小林さん

アドバイザーとの面談は転職希望者と企業の要望をすり合わせる場です。ヘンに気を遣わず、率直に要望を伝えましょう。

事前のヒアリングもふまえて、合いそうな求人案件を紹介してもらえます。

総合型の場合は、いろんな可能性を提示するために数十件単位。特化型の場合は、厳選して数件の提案となることが多いです。
佐藤

佐藤

思ったよりたくさん紹介してもらえるんですね。
小林さん

小林さん

ですが、たくさん応募すればいいというわけではないので注意しましょう。アドバイザーによってはたくさんの求人票を一気に見せてきて、片っ端から応募するように無理強いしてくる可能性もあります。
佐藤

佐藤

えっ…どうしてですか?
小林さん

小林さん

転職エージェントは、転職希望者からお金を取らない代わりに、入社が決まった時点で企業から「成功報酬」という形で収入を得ています。
小林さん

小林さん

なので彼らにとっては、「いかに多くの人を転職させられるか」がもっとも重要。

なんとしてでも入社まで導こうとして、求職者にぐいぐい転職を迫ってくるアドバイザーも残念ながら存在します。
佐藤

佐藤

そんなことがあるんですね…
小林さん

小林さん

もちろん、真摯に向き合ってくれるアドバイザーもたくさんいますよ。

アドバイザーの質が転職の成否を分けるので、複数のサービスに登録・面談して、アドバイザーを相対比較するといいですね。
プロに聞いた、転職エージェントの失敗しない選び方。登録前に比較するのはムダ!?|新R25転職

プロに聞いた、転職エージェントの失敗しない選び方。登録前に比較するのはムダ!?|新R25転職

アドバイザーの選び方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
小林さん

小林さん

もしたくさん提案されたとしても、すべてに応募する必要はありません。転職先に求める条件をしっかり整理してから、じっくり吟味しましょう。

もし「これは絶対に応募しないな」というものがあれば、その理由をアドバイザーに伝えておきましょう。コミュニケーションを取れば取るほど、提案される求人案件の精度が高まるからです。

STEP3:選考の準備をサポートしてもらう

小林さん

小林さん

志望する企業が決まったら、選考に向けた準備をします。

転職エージェントは転職者の年収の一部を報酬として企業から受け取るビジネスです。

なので、求職者をなるべく高い年収で入社させられるよう、できるだけ魅力的に見せるサポートをしてくれます。遠慮せずに頼りましょう。

また、直接の応募と違って、転職エージェント経由だとアドバイザーが企業への推薦文を添えてくれます。

表面的なスペックに止まらない魅力をアピールしてくれるので、書類選考の通過率は高くなる傾向にあります。
佐藤

佐藤

無事書類選考を通過したあとも、アドバイザーがサポートしてくれるんでしょうか?
小林さん

小林さん

はい。面接対策を手伝ってくれるほか、サービスによっては模擬面接をしてくれることもあります。

面接の前に、アドバイザーから過去の選考情報を仕入れるといいですね。企業との信頼関係が築けているアドバイザーなら、面接官の人柄や好かれる受け答えなどの“裏事情”まで教えてくれます。

どんな面接官が面接に出てくるのか、どんなことを聞かれるのかを事前に知っておけば、本番で焦らずにすむでしょう。

STEP4:内定後は給与交渉や退職のサポートをしてもらう

小林さん

小林さん

転職エージェントのサポートは、内定が出たら終わりではありません。特に給与交渉の強い味方になってくれます。

入社予定の企業の給与テーブル(年齢や能力に対応する給与の幅)をもとに、実現可能な範囲で高い年収がもらえるように交渉してくれます。

希望があれば、退職についてのサポートも受けられます。上司に引き止められたらどうすればいいのか、退職手続きを進めてもらえない場合の対処法など、状況に応じたアドバイスがもらえるでしょう。

転職エージェントに関するよくある質問と回答

Q:転職市場に対する“コロナ”の影響は?

松本さん

松本さん

「なんとなく転職したい」くらいの方は、今は見送ってもいいかもしれませんね。

求人数が減っているのに加え、失業者はこれからどんどん増えていくことが予想されます。つまり競争率が上がるので、転職の難易度が高めになります。

ただし、採用を続けている企業も多いのに加えて、今からやっておいたほうがいいこともあります。詳しくは別の記事でお話ししているのでそちらをご覧ください。

Q:自分で転職活動したほうがいいのでは?

小林さん

小林さん

志望する企業が明確に決まっているなら直接応募でもいいですが、特に若いうちは視野が不必要に狭まってしまっている恐れがあります。

転職エージェントはいろんな可能性を模索してくれるので、そういう意味では利用する価値はあるかなと思います。
松本さん

松本さん

また、いろんな理由で非公開にされている求人案件も多いです。

自分では見つけられない求人案件との出会いがあるのは転職エージェントのメリットです。
転職エージェントの比較はムダ。田端信太郎とカリスマ転職コンサルタントがおすすめ活用法を伝授|新R25転職

転職エージェントの比較はムダ。田端信太郎とカリスマ転職コンサルタントがおすすめ活用法を伝授|新R25転職

転職エージェントのメリットや活用法については、こちらの記事でも解説しています。

Q:転職エージェントにデメリットはないの?

松本さん

松本さん

転職させるビジネスなので当然ですが、単なるキャリア相談のつもりが転職ありきで話が進むことをデメリットに感じる方はいるかもしれません。

また、転職エージェント経由で応募すると、採用した企業は転職エージェントへ報酬を支払わなければならないので、全く同じスペックの人が直接応募していた場合には不利になる可能性はあります。
小林さん

小林さん

転職に関する意志が固まっていない人は要注意。

たとえばぼんやり事務職を希望していたとしても「一度は営業も経験したほうがいいですよ」と、希望とはまったく違う求人案件を紹介されることがあります。

もちろんそういった異業種・他職種への転職がいいほうに転ぶこともあるので難しいところですが、提案がしっくりこないときには断る意志が必要です。

Q:登録したら志望してない企業へ入社させられるのでは?

小林さん

小林さん

流されやすい人の場合はアドバイザーの提案を断れずに応募してしまうことはあるかもしれませんが、転職希望者が承諾しなければ選考が進むことはありません。

もし内定が出ても、気乗りしなければ辞退しても大丈夫。

また、転職者が短期間で辞めてしまうと、転職エージェントはその企業へ成果報酬を返金しなければなりません。

内定を蹴りづらいなら、短期退職をほのめかすのもありかもしれません。
松本さん

松本さん

ぐいぐい押し込んでくるアドバイザーがいるのは事実ですが、逆にいうとそういうアドバイザーはすぐ転職したいときには強い味方になります。

自分に対してぐいぐい来るということは、企業側へも転職希望者をぐいぐいアピールしてくれるはずですからね。

Q:いいアドバイザーの見分け方は?

松本さん

松本さん

まず1つの方法は自分の主観で相性がいいかを判断すること。これについては複数の転職エージェントに登録して、いろんなアドバイザーを相対比較するとわかりやすいです。

2つ目はアドバイザー個人の実績を聞いてみることです。ある企業へ多くの求職者を転職させた実績があれば、そこに対しては信頼関係が築かれているはず。転職希望者の要望を通す強い交渉力があると見ていいでしょう。

3つ目は進め方に違和感がないことです。求めてないのにすぐ求人案件を紹介してきたり、よくわからない理由で求人案件を勧めてくるケースは要注意。

押し込みやすい求人案件を紹介してノルマの達成に躍起になっている可能性が高いからです。
小林さん

小林さん

企業側と転職希望者を1人が見る両面型の転職エージェントの場合は、アドバイザーの経歴を聞くのがおすすめ。

1年以上の勤務歴があれば一定の実績があると見ていいでしょう。いい転職者を企業へ送れていないと、自分が企業側から責められるハードな仕事ですから。

Q:転職サイトとの使い分けはどうすべき?

松本さん

松本さん

転職サイトは転職市場の情報を掴むのに向いてます。

特に業界大手の「リクナビNEXT」「doda」が圧倒的な求人案件数を抱えているのに加え、はじめての転職に役立つ業界情報や職務経歴書の書き方などのノウハウが掲載されています。

一度は覗いてみるといいでしょう。
小林さん

小林さん

大手の転職サイトはいわば“求人案件のデパート”みたいなもの。とりあえず登録して損はありません。
【2020年】おすすめ転職サイトを1163人にガチ調査! 初心者は別サービスを使うべき!?|新R25転職

【2020年】おすすめ転職サイトを1163人にガチ調査! 初心者は別サービスを使うべき!?|新R25転職

おすすめの転職サイトや活用法については、こちらの記事で詳しく解説しています。

Q:そのほかに併用するといいサービスは?

松本さん

松本さん

「OpenWork」など企業に対する口コミサイトには目を通しましょう。

基本的にネガティブな意見が集まりやすい前提をふまえておく必要はありますが、過去に在籍していた人が書くリアルな情報は貴重です。
小林さん

小林さん

日本での普及はまだまだですが、「LinkedIn」などのビジネスに特化したSNSには登録しておいてもいいでしょう。

魅力的な人材であればいろんなメッセージが飛んでくるので、自分の市場価値がわかります。

【1128人が評価】おすすめの転職エージェント

新R25では、転職サービスの実態に精通した専門家にご協力いただき、「新R25キャリア総研」として、実際に利用したことのある約2000人を対象におすすめの転職サイト・転職エージェントについて調査しました。
この記事では、新R25キャリア総研の調査結果や過去におこなった専門家への取材をふまえて、特におすすめできる転職エージェントのみをご紹介します。
種別おすすめの
サービス名
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総合型マイナビ
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総合型リクルート
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これ以外にも、詳細な評判やほかのおすすめサービスが知りたい方は、ぜひ下記のリンク先の記事もご覧ください。

転職エージェントを使った転職活動の流れ

転職エージェントを利用した転職活動は、下記のような流れで進みます。詳しくは、解説記事をチェック!

転職活動の流れを解説した図

転職エージェントに登録

まずは転職エージェントに登録するところから利用は始まります。

どの転職エージェントも無料で登録できるうえに、アドバイザーとの相性がその後の転職を左右するので、複数に登録してから厳選するのがおすすめです。

登録の際には、これまでの職歴や現職の職種/年収、転職の希望条件(年収/職種/タイミングなど)をあらかじめ入力するのが一般的です。

こちらの情報をもとにキャリアアドバイザーとの面談がおこなわれるため、正確な情報を記入しましょう。

情報の登録が完了したら、近日中に面談の日程調整の連絡がくるはずです。都合の良い日程で面談の予約をしましょう。

転職エージェントの担当者との面談

面談は各転職エージェントに所属するキャリアアドバイザー(または キャリアコンサルタント)とおこないます。

最初の面談では登録した職歴や転職の希望条件に関するヒアリングがおこなわれます。おそらく初めての転職のときに特に役立つのがこの面談です。

担当のキャリアアドバイザーは、転職市場の需要と照らし合わせてあなた自身が気づいていない強みやスキルを引き出してくれます。

職歴や希望条件を整理したあとで、それらの条件に合う求人を提案してくれます。その場で応募を強制されるようなことはなく、考える時間を設けてくれるはず。提案された求人を検討しましょう。

転職エージェントからの求人の提案は、良くも悪くも予想外のものが含まれる可能性があります。はじめは違和感があるような求人であっても、それがあなたにマッチすると考えての提案なはずなので、一度は真剣に検討してみるのがおすすめです。

また、このタイミングで転職サイトにも登録して、自分でいろんな求人を眺めるのも良いでしょう。

転職先への応募書類の作成

転職希望先が決まったら、次は書類選考用の書類を用意することになります。

ほとんどすべての作業を自分でこなさなければならない転職サイトとは違い、応募書類の準備についても転職エージェントによるサポートが受けられます。

まずは履歴書や職務経歴書を自分で書いてみて、それを担当のキャラリアアドバイザーに確認してもらいましょう。選考をおこなう企業側の目線でフィードバックがもらえます。

また、用意した応募書類と一緒に推薦状を用意してくれることが多いです。それらをセットにして選考通過の確率を上げてくれるのが、転職エージェントを活用する大きなメリットの1つです。

担当者と面接対策をおこなう

書類選考を通過したら、次は面接です。こちらのステップでも転職エージェントによるサポートが受けられます。

過去に応募した方の情報をもとに想定質問を共有してくれたり、希望する方には模擬面接もおこなってくれたりします。

特に初めての転職では勝手がわからないことが多いはずなので、何かしら困ったことがあれば担当のキャリアアドバイザーに遠慮せず言ってみましょう。きっと力になってくれるはずです。

内定後の手続き(給与交渉/退職準備)

転職エージェントによるサポートは、内定が出たあとにも続きます。

まず複数の内定が出た際には、入社しない企業への辞退の連絡を転職エージェント経由でおこないます。

そして入社を決めた企業とは最終的な条件を調整します。希望する年収や入社のタイミングなどを担当者に伝えると、できるだけ条件に合うように交渉をしてくれます。

最後には現職の退職準備のサポートもしてくれます。数々の退職者を見てきたうえでのノウハウがあるので、細かいことでも遠慮せずに聞きましょう。

これらが終わればあとは入社するだけ。新しい職場にスムーズに馴染めるように準備を進めましょう。

転職エージェントのよくあるQ&A

ここからは転職エージェントに関する“よくある質問と回答”をまとめています。

詳しい回答が気になる方は記事をご覧いただき、これからの転職活動に活かしてください。

Q

転職エージェントの利用がおすすめな理由は?

A

担当のアドバイザーがカウンセリングをもとに相性のよさそうな求人を提案してくれます。そのため良い意味で予想外の出会いが生まれやすいです。また、選考のサポートもしてもらえるので、初めての転職では特におすすめです。

Q

転職エージェントは無料?どうやって稼いでるの?

A

転職希望者は無料で使えます。 その理由は、採用が決まると企業から成果報酬がもらえるビジネスモデルだからです。

転職エージェントを使っても費用がかからない理由は?|新R25転職

Q

何社の転職エージェントを掛け持ちすべき?

A

違う強みを持つ転職エージェントを3社ほど掛け持ちするのがおすすめです。たとえば1つはリクルートエージェントなどの総合型の大手。2つ目は第二新卒向けなど自分の年齢に特化したもの。3つ目に希望の業界に特化したものなど。そうすることで、より希望する条件の転職が実現しやすくなるでしょう。

Q

中小の転職エージェントはイマイチ?

A

小さい転職エージェントの良さもあります。 たとえば特定の領域により特化していたり、あなたをより丁寧に扱ってくれたりするかもしれません。

Q

すぐ転職するつもりはなくても使っていいの?

A

キャリア相談するだけでも大丈夫です。そうやって使っている方も多くいます。また、まともな転職エージェントほど、転職意向度の低い方も相手にしてくれます。

転職エージェントの登録は、転職する気がなくてもOK?|新R25転職

Q

転職エージェントはいつ登録すべき?

A

転職活動が終わるまでにだいたい2〜3カ月ほどはかかります。なのでもし転職時期の希望があるなら、その3カ月前を目安に登録するのがおすすめです。また、すぐ転職するつもりがなくてもとりあえず登録しておいて、年に1回ほど健康診断のようなつもりでキャリア相談する使い方もおすすめです。

転職エージェントの活用法などをプロたちが伝授|新R25転職

Q

アドバイザーはどうやって選べばいいの?

A

会ってみて、いくつかの判断基準をもとに選定しましょう。特におすすめなのは下記のポイントです。

良いアドバイザーのチェックポイント

失敗しないアドバイザーの選び方をプロが解説|新R25転職

Q

転職エージェンを使わないほうがいいケースもある?

A

結局は担当者との相性が重要なため、当たり外れは確かにあります。また、転職サイトを使って自分で転職活動を進めるなどの代替手段もあります。しかし非公開求人を紹介してもらえるなど、利用するメリットも大きいのであえて避ける必要はないかと思います。一方、あえて使わなくてもいい人を挙げるとすると、行きたい会社が決まっていて直接応募をすれば良いケースなどです。

Q

面談の前には何を準備すればいい?

A

面談の前に、ある程度は転職の希望を明確にしておきましょう。そのほかの準備物は下記の画像や記事をご覧ください。

転職エージェントとの面談前に準備すべきことs

面談前に準備すべきものをプロが解説|新R25転職

Q

サポートを途中で断る方法は?

A

メールや電話で意思を伝えるだけでOKです。担当者がしつこいと感じたときや、「使えない」「むかつく」と感じたら、遠慮なくほかの転職エージェントを利用することをおすすめします。

転職エージェントの断り方/退会方法をプロが解説|新R25転職

Q

転職エージェントに面談を断られたらどうすべき?

A

そのほかの転職サービスを利用しましょう。 代表的なのは「リクナビNEXT」などの転職サイト。そのほかにもハローワークサポステといった厚生労働が運営する就労支援サービスを利用しても良いかもしれません。

Q

転職エージェントの裏事情が知りたい

A

転職エージェントは企業から成果報酬をもらうビジネスモデルのため、企業側の意図で動いている部分もあります。詳しくは下記の記事をご覧ください。

転職エージェントの裏事情”をプロに聞いた|新R25転職

Q

転職サイトも一緒に利用すべきですか?

A

転職エージェントと転職サイトは併用するのがおすすめです。なぜなら転職エージェントよりも多くの求人を自分で眺められるので、より自分の視野を広げるのに役立ちます。また、大手の転職サイトだと初めての転職をサポートするノウハウ記事も充実しているため、それらを読むのも良いでしょう。

転職エージェントと転職サイトの使い分けをプロが解説|新R25転職

Q

転職エージェント経由で内定辞退するには?

A

とにかく本音で誠実に話しましょう。

転職エージェント経由で内定辞退する方法をプロが解説|新R25転職

〈取材・文=佐藤宇紘、編集=石川みく(@newfang298)〉

精通者たちの詳細プロフィール

【松本利明(まつもと・としあき)】人事・戦略コンサルタント。大手外資系コンサルティングファームに24年勤務しプリンシパル(部長級)を経験。人材マネジメントの支援をした企業は600社以上。HR総研の客員研究員も務めている。著書に5万人のリストラと6500名以上のリーダーの選抜と育成をした人の「目利き」。『「いつでも転職できる」を武器にする』(KADOKAWA)『稼げる人稼げない人の習慣』(日経新聞出版)などベストセラー多数。BBC、TBS、日本経済新聞、東洋経済などメディア実績多数
【小林毅(こばやし・たけし)】人材コンサルタント。外資系ヘッドハント会社を経て、2010年にホライズン・コンサルティング株式会社を設立。法務系人材を中心に約11年、延べ4400人の相談、サポートをおこない、日系大手企業、ベンチャー企業、外資系企業の採用支援にも従事。2013年より厚労省認定「職業紹介責任者講習」講師として、人材紹介事業者に対する法定講習を延べ2000社に対しおこない、不健全と言われる人材業界全体のボトムアップに尽力している。著書に『転職大全』(朝日新聞出版)、『成功する転職「5%」の法則』(自由国民社)がある

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